脊椎カリエスの前兆や初期症状について
最も多い初期症状は背中や腰の痛みで、数週間から数か月かけてじわじわ強くなります。進行すると脊椎の一部が崩れ、変形が目立ってきます。亀の甲羅のように丸く背筋が丸まることから「亀背」と表現されます。脊椎のなかには脊髄が通る脊柱管と呼ばれる空間がありますが、脊椎の変形によって脊柱管の構造が破壊されると脊髄が圧迫され、ひどい場合には下半身が麻痺します (参考文献1) 。脊椎への衝撃を避けるために短い歩幅でゆっくりと歩くようになる場合があり、「アルダーマン歩行」と呼ばれます (参考文献1) 。
脊椎カリエスは感染症ですが、発熱や体重現象は患者全体の4割未満にしかみられません (参考文献1) 。
数カ月の経過で背中が急に丸まってきた方は、一度近くの整形外科を受診してください。
脊椎カリエスの検査・診断
症状が非特異的で進行がゆっくりなため、脊椎カリエスの診断は遅れやすく、他の病気 (椎間板ヘルニアや骨粗鬆症による圧迫骨折、がんの骨転移など) との鑑別が問題になります。
単純X線撮影やCT、MRIを用いて背骨の変形の様子を確認することが第一です。画像所見から脊椎カリエスが鑑別に上がれば病変の生検をし、顕微鏡・培養で結核菌を確認します (参考文献1)。

