
共働き世帯が主流となった現代において、子どもの突然の発熱時に「どちらが仕事を休むか」という問題は、多くの夫婦が直面する大きな壁だ。WEBメディア「mamagirl」で2024年11月に公開されて以来、ネットを中心に大きな注目を集めている漫画『モラハラあるある』は、そんな育児の過酷な現実と、働く妻を見下す夫のモラハラ発言をリアルに描き、多くの読者から共感と怒りの声を集めている。
2026年7月現在も、家庭内における家事育児の不均衡やパートナーシップのあり方を巡る議論は絶えない。今回は、大切な仕事の朝に勃発した夫婦のリアルな衝突エピソードを紹介。夫の身勝手な論理に立ち向かった妻の奮闘について、プロットを制作したmamagirl編集部の梅田さんと、作画担当のタバタユミさんへのインタビューを交えてお届けする。
■育児はお前の仕事、俺より稼ぎが少ない。正社員の妻に真顔で言い放つ夫の暴言と理不尽な現実



主人公の菅原ゆりさん(35歳)は、4歳の息子を育てながら正社員としてフルタイムで働いている。日々仕事に追われ、延長保育を利用することも珍しくないほど多忙な毎日だ。ある夜、翌日に自分がリーダーを務める絶対に休めない重要なイベントを控え、ヘトヘトになりながらワンオペで家事育児をこなしていた。
しかし翌朝、息子が37.9度の高熱を出してしまう。慌てて夫のケンジに相談すると、夫は当然のように「じゃあ今日ゆり休みだな」と言い放った。納得のいかないゆりさんが「なんで?ケンジは?」と問い返すと、夫は真顔で「育児はお前の仕事だろ?」と返答。さらに怒りを抑えて「私も正社員で働いてるんだけど……?」と伝えると、夫は笑いながら「俺より稼ぎ少ないし、大黒柱は俺じゃん?どうせゆりが休んだところで代わりはいるって!」と、妻の仕事の責任を完全に否定する言葉を重ねた。
この尊大な態度に、ゆりさんの堪忍袋の緒が切れる。「フルタイムで責任ある仕事しながら家事育児も全部やってる!そんな私のこと、簡単に代わりがいるなんて言わないでよ!」と激しい怒りを爆発させ、大喧嘩へと発展した。いつもと違う妻の迫力に圧倒された夫はそれ以上言い返すことができず、最終的にこの日は夫が仕事を休むことで決着がついた。
■パパには見えない「こちら側の事情」。ワンオペの限界と家庭内ハラスメントに一石を投じる願い
本作が誕生した背景について、mamagirl編集部の梅田さんはママたちの切実な声を代弁する。
「世間では共働きの家庭がかなり増えていますが、知人の話やSNSの投稿ですごく多かった声が『子どもの体調不良の時に夫は休もうとしてくれない』というもの。妻が毎回休みを取るというのも夫婦で合意していればいいと思いますが、夫が譲歩してくれないことに対して不満を抱いているママが多かったので、ママたちの声として世間に届けたいと思ったことがきっかけです」
また、緊迫した夫婦の衝突をリアルな画力で表現した作画のタバタユミさんは、自身の経験を重ね合わせて描いたと明かす。
「実際にパートで働いていたときの記憶を元にしている部分があります。夫側からは見えないこちらの事情を伝えたいなという気持ちも込めて描きました」
イベントを無事に成功させてゆりさんが帰宅すると、家の中は散らかり放題だった。しかし、身をもって育児と家事の過酷さを痛感した夫は、この日を境にモラハラ発言が減ったという。
お互いを尊重し合うことの大切さと、言葉の暴力が家族に与える影響を鋭く突いた本作。共働きを続けるすべての人に、パートナーとの向き合い方を考え直すきっかけとして、ぜひ一読してほしい。
取材協力:mamagirl編集部・梅田/タバタユミ(@yumint_Illust)
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