メタボリックシンドローム・予備軍の主な原因とは?
お腹についた脂肪の細胞は、遊離脂肪酸と呼ばれる化学物質の体内での濃度を高めると示唆されています。遊離脂肪酸は、インスリン抵抗性を高め、血糖値を下げる働きを妨げる場合があります。これをインスリン抵抗性とよびます。遊離脂肪酸とインスリン抵抗性が揃うと、悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、逆に善玉(HDL)コレステロールを減少させる可能性があります。また、インスリン抵抗性は血圧や血中の中性脂肪の濃度を上昇させることもあります。つまり、メタボリックシンドロームは腹部の脂肪が悪さをすることで引き起こされるのではないかと考えられているのです。
以下のような要因は、メタボリックシンドロームのリスクを高めると考えられています。
生活習慣の乱れ
良質な睡眠が取れていないことや運動不足はメタボリックシンドロームのリスクを高める可能性があります。
また、喫煙や大量の飲酒もリスクを高めます。
食生活の偏り
高脂肪食、高カロリー食、野菜不足などの不健康な食生活を送ったり、カロリー摂取量が過多になったりすることも、メタボリックシンドロームのリスク要因となります。
加齢
年齢を重ねるにつれ、メタボリック症候群のリスクが高まります。
メタボリックシンドローム予備軍の男女比の割合は?
令和5年度、市町村国保特定健康診査・特定保健指導実施調査報告書で、40〜74歳までの男女のデータが報告されています。調査によると、メタボリックシンドロームならびに予備群の割合は、全体、男女で以下のようになっています。
メタボリックシンドローム メタボリックシンドローム予備群
全体のうちの割合 20.5% 31.5%
男性の中での割合 32.8% 50.5%
女性の中での割合 11.2% 17.2%
このように、メタボリックシンドロームと予備群両者で、男性の方が女性よりも割合が高いことがわかります。
なお、男女比を計算してみると以下のようになります。
男性全体のメタボリックシンドローム予備群の人数=464,727人
女性全体のメタボリックシンドローム予備群の人数=207,549人
このデータからみると、男性:女性=約2:1ということになります。
なお、男女ともに、加齢とともにメタボリックシンドローム・予備群の割合は増加します。

