健康診断で「メタボリックシンドローム予備軍」と診断されたら?対処法も医師が解説!

健康診断で「メタボリックシンドローム予備軍」と診断されたら?対処法も医師が解説!

「メタボリックシンドローム予備軍」で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「メタボリックシンドローム予備軍」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

心筋梗塞

動脈硬化などが原因となり心臓の血管が詰まる病気です。胸の強い痛みや呼吸困難を引き起こします。循環器内科の受診が適切です。早期治療が必要です。
メタボリックシンドロームを有する場合、心筋梗塞を含む冠動脈疾患のリスクが上昇することが報告されています。

脳卒中

脳の血管が詰まる・破れることで、手足の麻痺や言語障害が出現します。救急対応が必須で、神経内科や脳神経外科で治療を行います。
多くの観察研究でメタボリックシンドロームは脳卒中の危険因子であると示されています。特に、メタボリックシンドロームによる脳卒中発症のリスクは、女性の方が男性よりも高いと報告されています。

糖尿病

高血糖が持続する病気で、合併症として神経障害や腎障害、網膜症などがあります。内科または糖尿病専門外来での管理が必要です。メタボリックシンドロームの方は、2型糖尿病になるリスクが約3倍になるといわれています。

肥満症

肥満症は、メタボリックシンドロームと似ていますが少し違う部分もあります。
BMIが25以上で、肥満による健康障害が生じている状態を肥満症と呼びます。例えば、耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症状・痛風などがあります。
減量が治療の基本となりますが、高度肥満の場合には超低エネルギー食療法、手術で胃を狭くする、食欲抑制剤などによる抗肥満薬療法が行われるケースもあります。

脂質異常症

血液の中の悪玉(LDL)コレステロール、善玉(HDL)コレステロール、あるいは中性脂肪の濃度が異常を示す状態を脂質異常症と呼びます。いずれの状態も、動脈硬化が促進されることが知られています。飽和脂肪酸や糖質の摂りすぎを避ける、運動、減量などが大切です。内科や内分泌内科、循環器内科などで治療されます。

メタボリックシンドローム予備軍と診断されたら?

健康診断で「予備群」と指摘された場合、まずは内科を受診し、必要に応じて再検査や生活習慣改善指導を受けましょう。メタボリックシンドロームの専門外来を有している病院もあります。
追加検査は、内臓脂肪面積を調べる腹部CTやブドウ糖負荷試験、動脈硬化の有無を調べる検査など、それぞれの状態に合わせて選択されます。検査費用は数千円程度が目安と考えられます。

「メタボリックシンドローム予備軍」の正しい対処法・改善法は?

メタボリックシンドローム予備群と判定されたら、以下のようなことに気をつけましょう。

食事の改善

バランスの取れた食事を心がけます。食べすぎ・間食を控えるようにしましょう。
野菜や果物、全粒穀物を意識的に摂取しましょう。また、タンパク質を摂ることも、加齢に伴う筋肉量の減少を予防したり、基礎代謝を維持したりするために重要となります。

適度な運動の習慣化

ウォーキングやサイクリングなど、軽い有酸素運動をしましょう。毎日20〜30分程度行うと、内臓脂肪を減らすことに役立ちます。また、特に高齢の方のメタボ対策としては、筋力トレーニングも大切です。

生活習慣の改善

禁煙・節酒といった生活習慣改善も大切です。また、良質な睡眠やストレス管理も重要です。ホルモンバランスを整えることで、食欲のコントロール、脂肪蓄積の予防効果が期待できます。

「メタボリックシンドローム予備軍」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「メタボリックシンドローム予備軍」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

メタボリックシンドロームと予備軍の違いはなんでしょうか?

木村 香菜 医師

内臓脂肪に加えて2項目以上異常があれば「メタボ」、1項目のみなら「予備群」です。

メタボ予備軍と診断されたら、特定保健指導は受けられますか?

木村 香菜 医師

腹囲や血液検査の結果に応じて、保健指導対象となります。

肥満体型でメタボ予備軍の場合、食事制限が必要でしょうか?

木村 香菜 医師

栄養バランスを意識し、無理のないカロリー制限と運動を組み合わせることが重要です。

健診でメタボ予備軍と指摘されたら放置しても大丈夫でしょうか?

木村 香菜 医師

放置すると生活習慣病リスクが高まります。指示されたように、生活習慣を見直す、保健指導を受ける、あるいは治療を受けるなどの改善策が必要です。

まとめ 健康診断で「メタボリックシンドローム予備軍」と言われたら生活習慣を見直そう!

メタボリックシンドローム予備群の段階では、まだ重度の病気の可能性は低いです。しかし、将来の心筋梗塞・脳卒中・糖尿病を防ぐための重要なサインとして捉えることが大切です。早めに気づき、食事・運動・生活習慣を見直すことが予防策となります。健康診断の結果を前向きに受け止め、今日から生活改善を始めましょう。

「メタボリックシンドローム予備軍」で考えられる病気

「メタボリックシンドローム予備軍」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

心筋梗塞

脳神経内科系の病気

脳卒中

内分泌内科系の病気

糖尿病

消化器内科系の病気

脂肪肝

腎臓内科系の病気

慢性腎臓病

メタボリックシンドロームになると、様々な病気が発症するリスクが高まります。

「メタボリックシンドローム」と関連する症状・関連する症状

「メタボリックシンドローム」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

お腹周りのサイズがアップする

喉が渇く

尿の量が増える

疲れやすい

視界がぼやける

胸が痛い

ろれつが回らない

激しい頭痛

手足の麻痺

メタボリックシンドロームでも、無症状の場合も多くみられます。しかし高血糖の人は糖尿病の症状に気付くこともあります。また、脳卒中や心筋梗塞などが引き起こされることで、これらのような症状が現れる可能性があります。

参考文献

市町村国保特定健診・保健指導実施状況(速報値)|国民健康保険中央会

生活習慣病とは?予防と早期発見のために定期的な受診を! | 政府広報オンライン

メタボリックシンドローム(メタボ)とは?|厚生労働省

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配信元: Medical DOC

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