乳がん術後についてよくある質問
本章では、乳がん術後の患者さんやご家族から寄せられるよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
乳がんの手術後に再発する確率を教えてください。
再発は多くの場合、術後2〜3年以内に起こりやすいですが、ホルモン感受性が強いタイプの乳がんでは5年以降に再発するケースもあります。また、乳がん術後の再発率は何%とはいえず、その確率は病状によって大きく異なります。不安な場合は自分の病期やサブタイプにおける再発率の目安を遠慮なく尋ねるとよいでしょう。
術後の放射線治療や薬物療法中でも仕事を続けることができますか?
はい、状況によっては仕事を続けることは可能です。実際、近年は治療を受けながら仕事を続ける乳がん患者さんもいます。ただし、治療の種類や副作用の程度、職場の環境によって両立のしやすさは異なります。いずれにせよ、無理をせず体調優先で働くことが重要です。治療と仕事の両立については、医療ソーシャルワーカーやがん相談支援センターで相談に乗ってもらうこともできますので、必要に応じて活用しましょう。
乳がんの手術後に妊娠をしても問題はありませんか?
乳がん治療後の妊娠について心配される方も多いですが、結論からいえば適切な時期を選べば妊娠出産は可能であり、大きな問題はないとされています。ただし、自身の治療計画との兼ね合いがありますので、必ず担当医と相談し適切な時期を見極めてください。治療前に妊娠を希望していた方は、治療開始前からその旨を医療者に伝えることで、将来の妊娠の選択肢を残す支援を受けられる場合があります。
まとめ

乳がんの手術後、患者さんの身体と生活は大きく変化します。しかし、術後のリハビリや適切な追加治療、生活上の注意点を守ることで、普段の生活にスムーズに復帰することが期待できます。術後の不安は尽きないかもしれませんが、信頼できる医療チームの指導のもと、無理をせず自分のペースで生活を整えていきましょう。疑問や不安があれば一人で抱え込まず、医師や看護師、リハビリスタッフに相談してみてください。適切なケアと自己管理によって、術後も自分らしい生活を送ることができるはずです。

