小池栄子“夏海”たちが寄り添った女装した息子の母、神野三鈴の演技に称賛<さよならノワール>

小池栄子“夏海”たちが寄り添った女装した息子の母、神野三鈴の演技に称賛<さよならノワール>

第3話にゲスト出演した神野三鈴
第3話にゲスト出演した神野三鈴 / (C)フジテレビ

小池栄子が主演を務めるドラマ「さよならノワール」(毎週火曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FODほかにて配信)の第3話が7月21日に放送された。女装姿で亡くなった男性の遺族に寄り添った夏海(小池)たち。今回も胸を打つドラマが展開した。(以下、ネタバレを含みます)

■犯罪被害者支援室に焦点をあてた警察ヒューマンドラマ

本作は、警察の「犯罪被害者支援室」にスポットを当て、犯罪被害者や遺族らが再び人生の歩みを進めることができるように寄り添い、初動としての支援をしていく警察ヒューマンドラマ。

主演の小池は、元暴力団対策係の刑事で、ある事件を機に新設された犯罪被害者支援室に異動になった黒木夏海を演じる。その夏海の相棒となる、犯罪被害者支援室に派遣の支援員としてやって来た心理学者の白石絵梨子を北香那が務める。

被害者に対等かつ親身に寄り添うことができる夏海に対し、知識はあるがうまく被害者とコミュニケーションをとることができない絵梨子。異なる人生を歩んできた女性2人が互いを助け、足りない部分を補いながら犯罪被害者たちを癒していく。

■クラブで起きた事件で死亡した女装姿の男性を息子と認めない母

池袋のクラブでもめ事が起き、「拳銃だ!」という声でパニックが発生。クラブ出入口への階段に客が殺到し、崩れ落ちた人波の下敷きになった女性が死亡した。捜査の結果、死亡したのは圭(柾木玲弥)という男性で、死亡時は女装をしていたのだ。

だが、遺体確認のため西池袋署を訪れた圭の母・綾子(神野三鈴)は、「私の息子じゃありません」と否定。そのまま帰らせたことを絵梨子は疑問に思うが、夏海は「ご家族が認めない以上、私たちはその気持ちに寄り添うしかない」と言うのだった。ただ、このままでは無縁仏になってしまい、支援するにも情報が足りないとして、夏海と絵梨子は圭の足取りを調べることに。

そこから浮かび上がってきたのは、山梨県在住の介護士という本業のほかに、いくつもの名前を使い分け、LA在住のデザイナー、パティシェ、セレブ妻、バイオリニストと、さまざまな職業をかたっていたことだった。

さらに怪しい雑居ビルに出入りしていたという情報を得た。そのビルは、夏海が暴力団対策係だったときに反社の抗争事件で捜査したことがある場所。圭は女装姿で、薬物や拳銃など違法な物品の受け渡しに使われている部屋に出入りし、サプリだとだまされて運び屋のバイトをしていたことが分かった。

■亡き息子が大事にしていた「うれしかった」思い出

圭の部屋から見つかったスーツケースには、女装用の服などがぎっしりと詰め込まれていた。運び屋のための変装ではなく、個人的に女装を楽しんでいた圭。しかし、周囲には打ち明けず、普段はまじめに介護士をしていたようだったが、その給料だけでは二重、三重の生活を維持できず、危ないバイトに手を出したと思われた。

絵梨子は圭の部屋で見つかった「介護日誌」を綾子に見せた。勤めていたホームでの日々をつづったもの。その中のハロウィンパーティーをしたときのメモには、「学芸会を思い出した。あの時はうれしかったな」と書かれていた。「楽しかった」ではなく「うれしかった」ということに、心当たりはないかと問い掛けた絵梨子。

綾子はハッとして、学芸会で魔法使いのおばあさんを演じた息子のことをほめたのだと明かした。めったにほめることのない母からほめられたことがうれしかったのだ。

■最後に「きれい」とつぶやいた母

かつて東京で付き合っていた男性に妊娠を告げたとたんに別れを切り出された綾子。「意地でもひとりで産んで立派な子どもに育ててやる」と、故郷の山梨で圭を育て上げた。しかし、圭は勉強が苦手で、綾子が望むレベルの高校、大学に届かなかった。しばらく引きこもりをしたのち、ようやく介護の職に就いたという。

「私だってなんとか息子を認めようとした。でも…」と言葉を途切れさせた綾子。実は圭から心は女性だとカミングアウトされて知っていた。

そんな綾子に夏海が語り掛ける。「まるで役を演じるように」いくつもの名前と職業をかたっていた圭のことを綾子が誰にも知られたくないだろうと思っていた夏海。しかし、「圭さんの行動を私が勝手に恥ずかしいことだと決めるのは失礼だと思いました」というのだ。

「私は、最後の日も、事故が起こるその時まで、圭さんは充実した時間を生きていたと思います。彼女の生き方を受け止めてあげてもらえませんか?」。

夏海たちの前で、何度も息子は生きているとして電話をかける演技をしていた綾子。生き方を受け止めきれなかったと同時に、息子の死も受け止められなかったのだ。最後に泣き崩れる姿は見ていて苦しくなった。演じている神野も見事だった。

亡き息子に向かってようやく「分かってあげられなくてごめんね」と言うことができた。遺品のバッグに入っていた女装姿の圭の写真に「きれい」とつぶやいたのは本心からのものだ。

事件が起きてからというのは悲しいが、夏海や絵梨子の寄り添いで綾子が癒され、親子のかたちを再生する様子は胸を打った。

視聴者からは「人の様々な闇への寄り添い方が泣ける」「今日も心に響く話だった」「『行動を私が勝手に恥ずかしいことだと決めるのは失礼だと思いました』って言った夏海さんよかった」「最後の『きれい』はよかった、泣いた」といった感想のほか、「神野三鈴さんの演技がすごかった」と称賛の声も上がった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部



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