運動会そのもののあり方を問い直す声も
さらに踏み込んで、運動会全体のあり方を見直すべきという意見も出ています。小学校教員の「勝敗を経験する事も大切だとよく言われるが、負け続ける子そして不登校に至る子についての言及はない」という指摘は、現代の教育現場が直面する課題を端的に表しています。
まとめ:教育観を映す鏡としての徒競走
今回の調査結果から見えてくるのは、徒競走のあり方が単なる運動能力の測定を超えて、教育観や学校文化のあり方を映し出していることです。小学校では多様な工夫が見られる一方、中学校・高校では従来通りの実施が主流という傾向も、発達段階に応じた教育観の違いを反映しているといえるでしょう。
School Voice Projectの調査は、教育現場が「勝敗を経験させたい」という声と「苦手な子への配慮や多様性を尊重したい」という声の間で葛藤しながら模索している実態を浮き彫りにしました。徒競走をめぐる議論は、まさに現代の学校教育が向き合うべき課題の縮図といえるかもしれません。
(LASISA編集部)

