
内田有紀と寺西拓人がW主演を務めるドラマ「ラストノート」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FODほかにて配信)が現在放送中。本作は、環境も積み重ねてきた人生も全く違う、交わるはずのなかった年の差の男女が、静かに惹かれ合い、やがて人生で最も激しい恋へと導かれていく姿を描いた大人の純愛ストーリー。
タイトルの「ラストノート」は、時間ごとに変化していく香水の“最後の香り”を表す言葉のこと。つけた瞬間の第一印象となる“トップノート”、香水のメインの香りとなる“ミドルノート”、香水の最後の香りで、肌と溶け合うことでその人だけの香りを残す“ラストノート”。そんな香水の最後に残る特別な余韻“ラストノート”のように、今までしまっていたはずの思いが香る純愛が描かれている。7月16日に放送された第2話では、澄晴(寺西)が葵(内田)の本当の目的を知り、お互いの感情を激しくぶつけ合うシーンも描かれた。
WEBザテレビジョンでは、これまで舞台で積み重ねてきた確かな表現力で樋口澄晴を演じる寺西拓人にインタビューを実施。役への向き合い方から、今作を通じて感じた“大人の純愛”について、さらに本日7月23日放送の第3話の見どころまで真摯な言葉でたっぷりと語ってくれた。
■すごく親身になって向き合ってくださっている感覚があります
――撮影が進む中、現場の雰囲気はいかがですか?
スタッフさんも含めてすごく温かいです。冗談も言い合うような温かい環境で撮影させていただいていて、時には予定より3時間も巻きで進むくらい順調な日もありますね。
――撮影が始まる前の取材でも内田さんとの息が合っていましたが、実際に撮影が始まりいかがですか?
取材の時にも内田さんがおっしゃっていましたが、劇中の葵と澄晴の関係性と、演じる僕たち自身の関係性が重なりすぎないよう、普通にお話しする時もあれば、あえて離れて過ごす時もあったりと、意識してくださっていると感じます。
第1話で、澄晴が葵に花を差し出すという場面がありましたが、僕の中で表現が難しいと感じていたシーンだったんです。撮影で何テイクか重ねた際、内田さんが少し離れたところに呼んでアドバイスをくださって。すごく親身になって一緒に向き合ってくださっている感覚があり、心強いです。
■本当の自分を取り戻していく過程を演じるのはすごく楽しい
――澄晴を演じる面白さや難しさをどのように感じていますか?
澄晴は序盤の第1話、2話あたりは、自分の本当の思いを隠し、夢に蓋をして生きています。お芝居の中でさらにお芝居をしている感覚で、そこが面白さでもあり大変さでもありました。でもそこから葵さんと出会い、本当の自分を取り戻していく過程を演じるのはすごく楽しいです。
――澄晴が葵、莉奈(桜井日奈子)、優子(坂井真紀)に見せる顔について、演じ分けや表現で意識していることはありますか?
“女性を仕事として落とす”というスイッチを意識して演じています。劇中では優子さんを騙すシーンは描かれていませんが、優子さんへの接し方、また葵さんに対しても初めは騙すつもりで接しつつどこか惹かれてしまう表情、そして莉奈ちゃんに対して見せる素のようで素ではない部分など、相手によって見せる顔が全く違うのが演じていて面白いです。
――本来の自分を取り戻していく澄晴の変化についてはいかがですか?
スイッチを入れている瞬間は“演じている”感覚が大きいですが、本来の自分を取り戻していく過程では人間らしい部分が多くなるので、そこまで特別には意識していません。ただ、女性に対してだけではなく父親との関係にも大きく関わってくる部分なので、だんだんと殻を破っていくさまを意識しています。
――変わっていった澄晴の方が、ご自身と共鳴・共感できますか?
どちらかといえばそうですね。でも、“自分に蓋をする”“自分で勝手に諦めてしまう”といった感覚は自分自身にも置き換えられる瞬間があるので、序盤の澄晴にも共感できる部分があります。その思いもうまく引き出しながら演じていけたらと思います。
■自分の学生時代を後輩が演じてくれるのは素直にうれしい
――これまでの撮影で、寺西さんが特に好きだったシーンやセリフはありますか?
プロデューサーさんが、澄晴の父親・樋口眞澄を演じる佐々木蔵之介さんとのシーンをすごく褒めてくださるんです。他はあまり褒めてくれないのですが(笑)。蔵之介さんとのシーンは身が引き締まりますし、澄晴の人格が形成された背景には父親との出来事が大きく関わっているので、演じていてもすごく集中します。劇中の眞澄はとても怖い父親ですが、蔵之介さんはカットがかかると気さくで本当に優しい方。プライベートなお話もさせていただきながら、充実した時間を過ごしています。
――ちなみに、蔵之介さんとはどのようなお話をされましたか?
「昨日のあの番組見たよ」と、僕のグループ(timelesz)の番組を見てくださっていたりして。とてもうれしいですし、お優しいなと感じます。
――事務所の後輩である嶋崎斗亜さんが、高校生時代の澄晴を演じることについてはいかがですか?
いや、「俺になるか!?」と思いました(笑)。あんなにかわいい顔立ちの子が僕になるのか?という疑問はありますが(笑)、今作の撮影直前まで舞台(「AmberS」)でずっと一緒でしたし、すごくご縁を感じます。自分の学生時代を同じ会社の後輩が演じてくれるのは素直にうれしいですし、縦のつながりを今作でも経験できたのが感慨深いです。
――撮影に際し、嶋崎さんとは何かお話しされましたか?
一緒のシーンがないのであまり話せていないんです。僕がインした日に少し話した程度なので、僕自身も放送で見るのがすごく楽しみです。
■葵さんに言われた言葉や表情が刺さって抜けないのだと思います
――第2話では苦しい展開も描かれましたが、第3話の澄晴と葵の関係性や見どころを教えてください。
第2話で葵と澄晴はお互いの目的が分かり、激しくぶつかり合いました。もう仕事として接するのは無理だと突っぱね、あんなにもお互いがお互いを「は?」となっている状態から、第3話でまた接触していく展開が見どころです。澄晴の中で、葵さんに言われた言葉や表情が刺さって抜けないからこそ、彼自身がどんどん動き出していきます。反発し合いながらも、出会ってしまうし、惹かれ合ってしまう。2人の縁や魅力をぜひ楽しみにしてほしいです。
――“大人の純愛”というテーマについて、寺西さんの中で抱いていたイメージが変わった部分はありましたか?
以前は、落ち着いていてお互いに干渉しないけれど一緒にいる、寄り添う熟年夫婦のような形というイメージを持っていました。ですが今作は、年齢を言い訳にせず“大人だからこうでしょ”という固定観念にあえて抗っていく2人の物語でもあると思います。大人だからこそ熱くなって、真っすぐに生きる。それこそが“大人の純愛”なのかなと感じています。
――寺西さんが、恋愛に限らず“この人すてきだな”と感じる瞬間はどんな時ですか?
仕事でも趣味でもご家庭のことでも、何かに真っすぐ向き合って誇りを持って取り組んでいる人はすてきだなと思います。こうして取材をして記事にしてくださることも僕にはできない技術ですし、撮影現場でもたくさんの役割の方がいて、それぞれの仕事を全うされている。そういった姿はすごくすてきですね。

■監督からの言葉はすごくうれしかったですし心に残っています
――監督からのアドバイスで、学びや成長に繋がったところはありましたか?
監督からは細かくたくさんのアドバイスをいただき、日々勉強になっています。僕は舞台に立つことが多かったので、稽古で何度も試して作り上げていく感覚に慣れていたのですが、ドラマの現場で同じことをしようとするととてつもなく時間がかかってしまう。そうした映像と舞台の違いを肌で学べることもすごく新鮮です。
――特に印象に残っている言葉はありますか?
動きを指示されていないシーンで自分なりに動いてみた時、「(今の動きを)生かしでいきましょう」と言っていただけて。「どんどん澄晴らしくなっているから、これからも何かあったら言ってほしいしチャレンジしてほしい」と言っていただけたことはすごくうれしかったですし、心に残っています。
――“澄晴は葵さんの言葉や表情が刺さって抜けない”というお話もありましたが、寺西さんご自身に刺さる言葉はありましたか?
おこがましいのですが、僕、結構頑張っているんですね。人生、結構頑張っていて(笑)。澄晴だったら「必死に生きてみなさいよ」といった葵さんの言葉がある意味で刺さると思うんです。澄晴も自分の中では必死だけれど、周囲からはそう思われないという焦燥感や葛藤がある。…でも僕自身は、日々頑張っているので(笑)。
――(笑)。寺西さんご自身は、すでに必死に生きられているということですね。
言葉にするとめちゃくちゃ調子に乗っているやつみたいですね(笑)。でもそう答えられるように、これからも頑張ろうと思います。
――そんな寺西さんから見て、澄晴に対して「もっと頑張れよ」と思うところもありますか?
そう思うこともありますね。はっきりしろよ、とか(笑)。それこそ僕よりも年下のマネージャーさんが、モニターの前で澄晴に対してすごくキレているらしくて(笑)。女性や彼女への振る舞いや、人を騙しているということに怒っているのだと思いますが、そう思う気持ちも分かります。
――最後に、今作ではピオニーの絵がとても印象的に登場します。寺西さんの中で、これまでに心を奪われたような景色や物があれば教えてください。
今、timeleszのツアー中なのですが、ステージに立った時のあの景色は何ものにも変えられないと感じています。僕がこの仕事をしたいと思った原点でもありますし、ステージから見る景色は一生忘れられないです。
※嶋崎斗亜の「崎」は正しくは「たつさき」

