
Huluオリジナル「八神瑛子 -上野中央署 組織犯罪対策課-」の第1話と第2話が、動画配信サービス・Huluにて7月24日(金)より一挙独占配信される(以降毎週金曜に最新話配信/全5話)。本作で主演を務めるのは、11年ぶりの単独主演となる黒木メイサ。愛する者を奪われた悲しみや葛藤を抱えながらも、多国籍な街・上野で独自の正義を貫くタフなヒロイン・八神瑛子を熱演している。そこで今回WEBザテレビジョンでは、そんな黒木にインタビューを実施。ハワイ移住から日本への帰国という11年間の歩みや、本格的なキックボクシング・警棒アクションへの挑戦、さらには奥田瑛二や小島健(Aぇ! group)ら豪華共演者との緊迫した撮影の舞台裏について、じっくりと語ってもらった。
■11年ぶりの単独主演に「あ、そっか主演だった」 ハワイ移住を経て辿り着いた“今のベスト”
――今回11年ぶりとなる連続ドラマ単独主演ということですが、黒木さんにとって本作はどのような意味を持つ作品になりそうでしょうか。また、ファンの方も気になっているこの11年間の過ごし方や、「なぜ今だったのか」についても教えてください。
どんな意味を持つ作品になるかは、実はまだちょっと分からないんです(笑)。ただ、今回こうやってインタビューしていただいて改めて思うのは、「11年ぶりの主演ですね」と言われて「あ、そっか主演だった」と感じてしまうくらい、主役というポジションをあまり意識していなかったということです。あくまでも“八神瑛子を演じる”ということにいっぱいいっぱいになっていたなと、撮影が終わった今、ひしひしと感じています。なので、私自身は“主演”ということに強いこだわりはなく、たまたまご縁があって11年ぶりに主演の機会をいただいた、という感覚です。
この11年間についても、昔から将来の目標をガチガチに立てるタイプではなく、その都度「今やるべきこと」に全力で取り組み、その積み重ねが未来に繋がっていくという生き方をしてきました。例えば2018年か2019年頃にハワイへ引っ越したのも、綿密な計画があったわけではなく、その時の自分の環境においての“ベスト”を選んだ結果です。今回東京に戻ってきたのも、自分や家族のタイミングを考えた時に、「今の日本にいることがベストなんじゃないか」と判断したうえで選択しています。
そして、11年ぶりに主演のお仕事をいただけたことに関しては、本当にありがたいオファーでした。自分が望めばいつでもできるものではありませんし、何より、いろいろなものを抱えながらも強く生きる“八神瑛子”という女性像が、私の大好きな役柄だったことが嬉しかったです。
瑛子は愛するものを奪われた悲しみや葛藤を抱えている女性だったので、強いだけではない、彼女のふとした弱さも丁寧に描けたらいいなと思いながら演じさせていただきました。
――原作者の深町秋生先生も瑛子を「ぶん殴られたいヒロイン」と表現されていましたが、世間が黒木さんに抱く「強い女性像」というイメージに対して、ご自身とのギャップやプレッシャーを感じることはありますか?
私、それ「洗脳」だと思うんですよ(笑)。もう若い時からこのお仕事させていただいて、みんなから「強い女だ」と言われ続けた結果、自分自身も周りも自己暗示にかかって「そうあろう」としているのかもしれません。だから、いい意味で「私は強い」という自己暗示で成り立っている部分もありますね。
若い時はそのイメージがしんどかったり、「こういなきゃ」と気負う意識もあったりしたのですが、今はむしろそれが楽しいというか。「そのイメージに乗っかっちゃおう」と思える余裕が出てきました。
――理想とする主役像や、影響を受けた先輩はいらっしゃいますか。
一つの作品をすごい大人数で作っているので、「私たちが向かってるのってここだよね」という共通認識を持てるような現場がやっぱり理想的な環境です。キャストだけでなく、あらゆる部署のスタッフさんと積極的にコミュニケーションを取る主役の方を見ると素敵だなと思いますし、いずれは私もそういう風になりたいなと思いますね。
先輩で言うと、20歳くらいの時に中井貴一さんとご一緒させていただいたのですが、その時の作品への向き合い方はすごく刺激になりました。親子役だったこともあり、現場で常に隣にいてくださって、すごくありがたかったですね。
■3カ月に及ぶ肉体改造と警棒アクションの裏側を告白
――人気シリーズの映像化にあたり、八神瑛子を演じる上でどのようなアプローチをされましたか。また、今回は3カ月にも及ぶ本格的なアクショントレーニングをされたそうですね。
最初からアクションが結構あると伺っていたので、クランクイン前からキックボクシングのトレーニングを始めたのが、瑛子への最初のアプローチです。
普段から割と運動するように意識していますが、今回はしっかり動ける筋肉をつける必要があったので、アクション部での練習とは別に、短期間ですがキックボクシングのジムに通いました。ウェイトトレーニングでつける筋肉と、実践的に身体を動かしてつける筋肉は違うので、とにかく“動ける身体”を手に入れたかったんです。それと並行して、アクション部の方々と基礎の動きから順を追って、実際の立ち回りを決めていきました。
現場には、私が10代の頃に舞台でご一緒したアクション部の方もいたのですが、「なんで今になってまたこんなアクションやりだしてるの?」と言われて(笑)。「確かに、私ももうすぐ40(歳)だったわ」なんて思いつつ(笑)、昔のさまざまな経験が今に繋がっている部分はあるのかなと感じています。
――本作では警棒を使ったアクションだったり、乗っているバイク(カワサキ・エリミネーター)などのビジュアルや所作にもこだわりを感じました。黒木さんご自身が提案された部分や、役作りの工夫はありますか。
基本的には各部署のプロフェッショナルにお任せして、その背中に乗っかるつもりでやらせてもらいました。ただ、今回瑛子が着ているジャケットが結構オーバーサイズだったりするんですけど、それが「もしかしたら亡くなった夫のものなのかもしれない」と想像できるような見え方にしたい、といった相談はさせていただきました。
あとバイクの所作に関しては、私自身は普段乗らないので、瑛子としてスタントを担当してくれた“なっちゃん”と現場で話し合いながら、バイクにまたがる時の動きやグローブの付け方、格好よく見える角度など、結構追求していきましたね。
警棒アクションについては、物を持つと急に難易度が上がるので、警棒と同じ長さの偽物の棒を用意していただいて、家に持ち帰ってずっと振り回していました(笑)。手に馴染むようにひたすら練習していましたね。
あと、今回は動きに気を取られずにお芝居ができるように、早い段階から準備に入らせてもらえたのは、瑛子を演じるうえで大切な準備期間だったなと思います。瑛子は自分の感情で突っ走りそうになってしまうところをグッと堪えて、冷静に物事に対して向き合う瞬間もあったので、そういう意味でも自分にはなかなかできない部分だなと思いつつ、瑛子を応援したい、寄り添いたいという強い気持ちで演じました。
――劇中では、クラブに乗り込むシーンが一発OKだったそうですね。そのワンカットをやるのにどのような準備があったのでしょうか。
あのシーンに関しては、もともと廣木隆一監督がアクション部と「これは一発撮りでいくね」っていう話をしていたこともあり、一発で全部通して撮れるよう事前に動きはつけておこうと準備を進めていました。
そのために撮影現場のセットも想定して、途中で手を変えたり試行錯誤しながら作っていったので、本番が一発で終わった時は嬉しかったですね。ただ、準備期間の方が長かったので「え、これでもう終わり? こんなにやってきたのに」と一瞬すぎて少し驚きました(笑)。


■奥田瑛二の凄みと、小島健と“遠慮なし”でぶつかり合った肉弾戦
――豪華共演者の方々との撮影で、「この人やっぱりすごいな」と凄みを感じた瞬間や、印象に残っているエピソードはありますか?
奥田瑛二さんとは3度目くらいの共演でしたが、やはり現場の空気がピシッと締まりますし、いい緊張感が生まれます。組長という役柄もあって、瑛子が「一歩踏み込んじゃいけない世界に踏み込む瞬間」の大事なシーンだったので、すごく印象に残っています。
――アクションシーンで対決される小島さんの印象や、撮影でのエピソードについても教えてください。
今回、小島さんは英語を話す役どころ(フィリピンの殺し屋・グラニソ役)だったので、すごく大変だったと思います。現場でも積極的に英語のコーチとずっと練習されていました。
事前にアクション稽古でしっかりと手合わせができていたので、本番で対峙した時も、お互いの距離感や空気感を把握できていたんです。小島さんがどう思われていたかは分かりませんが、私は遠慮せずにグラニソに対してアクションも感情もぶつけていけたので、とても頼もしい存在でした。対決が終わる時のアクションシーンは、かなり見応えのある仕上がりになっていると思います。
――最後に、作品全体の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
本作は、登場人物たちそれぞれの「正義」を描いていて、誰の視点で見るかによって物語の捉え方が変わってきます。“必要悪”という言葉がよく囁かれますが、その存在意義や、人を信じたり裏切られたりといった心理戦など、さまざまな見どころが詰まっています。
また、上野の街でしっかりとロケをさせていただけたのもすごくありがたかったです。作品全体の色味や多国籍な雰囲気を与えてくれたので、それは現場で撮れたからこそ出せたものだと思います。そういった街並みの映像美や、独特の空気感も含めて楽しんでもらいたいですね。
今回配信ものですし、「何を見ようかな」と悩む時間も多いと思いますが、迷ったらとりあえず「八神瑛子」を視聴してみてください(笑)。一度見始めたら、最後まで一気見していただける面白さになっていると思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです。


