2026年7月22日 神保町で謎解き|辛酸なめ子

2026年7月22日 神保町で謎解き|辛酸なめ子

もうすぐ取り壊されてしまう、岩波神保町ビルを舞台にした謎解きイベント「あの夏のさよなら」に伺いました。安藤美冬さんのアンルートという会社が主催で安藤さんが脚本と製作総指揮をつとめています。

 

映画館を回遊しながら物語と謎を追う、ストーリー体験型ミステリーツアー。俳優さんが出てきて演技したり、フレグランス演出もあったりでかなり凝った演出です。ストーリーを読みながら謎解きルームに移動し、映画館で登場人物の様子を眺めるなど、現実と創作が入り混じっていました。この映画館、かつては意識が高い映画を上映しているイメージでしたが、ミステリーの舞台になるという楽しい利用法もあるとは。

参加者は一人ずつ単独でミステリーの世界に没入します。登場人物は大学生のミフユとハルオミという男女。参加者は2人と仲良しのナツ(性別不明)になってストーリーに加わります。古い映画館で記憶をたどりながら、ナツが昔ここでバイトしていた時の事件の謎を解いていきます。

映画館のオーナーは叔母の久子。しかしある短編映画の上映イベントの途中に、10階から9階に転落して亡くなってしまいます。その久子の霊が、自分の亡くなった理由について調べてほしいと語りかけてきて、映画館をあちこち歩いて謎解きをしていきます。ナツの方も自分が急にハルオミとミフユと疎遠になった経緯を知りたくて、思い出をたどっていく、という流れです。古い映画館で霊的なストーリーというと何か憑かれそうですが、フレグランスの香りで負のエネルギーが浄化されている感があります。

ちょうど前日、近所のカフェの外階段で後ろによろけて一瞬転落するところだったのでなんとなく久子に感情移入してしまいました。でも久子は自分でよろけたというのではなく、誰かに突き落とされた……ということで、受付のスタッフ2名、当日映画のイベント登壇した俳優、久子の夫の誰かが怪しいということになります。謎解きルームで映画館にまつわる噂や当日のタイムテーブルを調べて、犯人は誰か考察します。

最初、薄暗い映画館でリーフレットの細かい文字が読みづらく、かなり遅れをとってしまいました。謎解きイベントは……若者向けかもしれません。綿矢さんとご一緒しましたが、綿矢さんの方が全然早く解き終わっていました。

でも他の謎解きイベントにあるような、細かい問題の解答のマス目を全部埋めていかないと答えにたどり着かない、というタイプではなく、選択肢から選ぶ形式で助かりました。最後の方で、部屋でスタンバイしている登場人物に言えなかった思いを告げる場面などもあって、謎解きだけではない達成感が得られました。俳優との距離も近くて、推し活に発展するケースもありそうです。

人生そのものも神がプロデュースした謎解きだと考えれば、試練も乗り越えられる……かもしれません。

「あの夏のさよなら」で、役者さんが映画館の座席に佇んでいるシーン。物語に没入しているのでエモさもひとしおです。

 

謎解きやミステリーではないですが最近少し考えついた企画があります。

それは、この度可決された、改正皇室典範にまつわるものです。皇族数の確保に向け旧宮家「男系男子」を養子にすることが可能になりました。でも国民の1人としては、今まで存じ上げなかった人を、家柄がやんごとないとはいえ、いきなり◯◯様と呼んで奉るなんて、なかなか受け入れにくいものがあります。宮家の方もそんな庶民の厳しい視線に晒されるのはキツいと思います。

そこで少しでも国民の理解が高まるように、皇室リアリティ的なオーディション番組を作るというのはいかがでしょう。男系の養子対象の方々に、皇族練習生として共同生活していただき、厳しい合宿で礼儀作法など身につけられる過程などを見守りながら本当に皇族にふさわしい方を決める、という企画。各回のテーマは「歌会」「日本史」「蹴鞠」「お手振り」など……。対象の方以外に、冷泉家とか徳川家、近衛家など由緒正しい方々が参加すると良い刺激になりそうです。国民の応援や支持の気持ちが高まることで、皇族としての新たなステージに達することができます。このくらいのことをやらないと、なかなか受け入れられないような気がしています。一庶民の妄想失礼いたしました。

配信元: 幻冬舎plus

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