川崎桜&小川彩が明かす、乃木坂46としての絆と殻を破った瞬間「生みの親である久保史緒里さんの熱量を」<野球少女鷲尾>

川崎桜&小川彩が明かす、乃木坂46としての絆と殻を破った瞬間「生みの親である久保史緒里さんの熱量を」<野球少女鷲尾>

小川彩&川﨑桜
小川彩&川﨑桜 / 撮影=下田直樹

乃木坂46の川崎桜が主演を務め、小川彩が共演するドラマ「野球少女鷲尾」が、現在FOD SHORTにて独占配信中だ。

本作は、野球をモチーフにしたエピソードや小ネタを散りばめ、個性豊かな仲間たちとの軽快なやり取りを展開する青春群像劇。「自分の好きなこととどう向き合うか」というテーマを軸に、自分の気持ちを認めること、見過ごされがちな誰かの好きを受け入れることの大切さを伝えていく。主人公・鷲尾史保は、ニッポン放送「乃木坂46のオールナイトニッポン」の人気コーナーから生まれたキャラクターで、リスナーとのやり取りの中で形作られてきた。

そんな本作で、野球が大好きだけど、過去のトラウマから“好き”を隠してきた大学生の鷲尾を演じる川崎と、心から好きなものが見つからない金森凜を演じる小川にインタビュー。本作の撮影秘話からそれぞれの“好き”への思いやお互いが支えになったエピソード、乃木坂46への思いまでたっぷりと語ってもらった。

■「鷲尾ちゃんは隠しきれてないところが愛おしい」

ーーまずは、台本を読んだ時の感想を教えてください。

川崎:とにかく鷲尾ちゃんが変わった女の子だなと思いました。普段はあまり心を開いていませんが、自分の好きな野球のことになると口が達者になるところがかわいいなと。自分では“好き”を隠しているつもりですが、わりと隠しきれてないところがあって、そこがとても愛おしいなと感じました。

小川:私はまず、鷲尾さんのセリフ量に驚いて。基本5〜6行の長セリフが何個かあって、「いや…こりゃ桜、大変だぞ」と思っていたのですが、本番にはセリフが完璧に入っていて驚きました。

■「一見普通の女の子だけど、内に秘めているものはアツい」

ーー小川さん自身は、凜役をどう演じていこうと思いましたか?

小川:鷲尾さんがけっこう変わっているので、金森凜は一見普通の女の子ですが、内に秘めているものはアツくて。そういう、中から出てくるものを出せたらなと思いました。

■「いろいろな楽器が好きだけど、あまり深くは話せない」

ーー鷲尾は“好き”と言えない女の子、凜は“好き”が見つからない女の子ですが、お二人はどちらに共感しますか?

川崎:どちらにも共感できる部分はありますが、私は好きなものが極端と言いますか、一度好きになったものがずっと好きなタイプなんです。中高時代から本当に、BUMP OF CHICKENさんの音楽が好きで、ずっと同じ曲を同じプレイリストで聴いていて。ご飯を食べる時も新しいお店にはあまり行かずにおなじみのメニューを頼んでしまうので、割と自分の“好き”を固定しちゃっているのかなと思います。

小川:私は“好き”が言えない方ですかね。それぞれの分野で特化した方や、知識が深くてとても好きな方がいらっしゃるので、ただ好きというだけの自分が話していいものなのか、考えちゃうんですよね。

ーー具体的には、その言いにくい“好き”は何ですか?

小川:たとえば音楽分野だといろいろな楽器が好きなのですが、あまり深くは話せないです。野球もそうですが、ただ「好き」という思いがあって。でも、ピアノを弾いているとストレス発散になるんです。最近は作詞作曲にも興味があって、まだ全然できていませんが、ちょっと勉強したいなと思ったり、歌詞を考えてみたりしています。乃木坂46の曲でも弾き語りを練習していて、気分転換をしたい時には、スタジオに行ってドラムを叩いています。音楽を流していても、たとえば裏のドラムの音だけを聴くとか、いろいろな楽しみ方をしています。

ーー今、ハマっている音楽は?

小川:私はずっとWANIMAさんが好きで、よく聴いてます。特にテンションを上げたい時は、それこそドラムを叩きながら聴いています。

■「常に新しい自分を供給しなきゃという使命が(笑)」

ーー川崎さんは、小川さんの音楽のように、生活の中心になっているものはありますか?

川崎:やっぱりファンの皆さんかなと。私は、家にいることが好きなんです。でも、お休みができたら、ファンの皆さんに常に新しい自分を供給しなきゃという使命があって(笑)。私はお洋服が大好きで、私の私服姿を見たいと言ってくださる方も多いので、「新しい服を着て、それに合うロケーションでこういう写真を撮ろう」「そのためにお出かけしよう」と考えるんです。結果的にファンの皆さんにいろいろな場所へ連れ出してもらっています。

ーーちなみに、川崎さんの“さくたん構文”はストックを作っているのでしょうか?

川崎:前日に考えています。

小川:この間の乃木坂46「14th YEAR BIRTHDAY LIVE」でさ、桜が「質問!」と言っていて、「あ、鷲尾さんだ!」と思ったんだよね。

川崎:鷲尾さんが恋する相手と楽しそうに話してる時に、浮かれちゃって「質問!」と言うんですよ。それがかわいくて、セリフからさくたん構文の煽りに引用しちゃいました(笑)。

■「彩は常に “小川彩”でいてくれる」

ーー本作はラジオから誕生したという特殊な経緯もあります。マシンガンズの西堀亮さんと3人で「オールナイトニッポン」に生出演もしていましたが、裏話などあったら教えてください。

川崎:久しぶりに西堀さんとお会いしたのですが、ドラマ撮影の時と変わらない温かさで、本当にずっと優しくて。私たちは、とても緊張していて少し不安でしたが、西堀さんがブースに入ってきてずっとボケてくださっていたおかげで、一気に緊張が解けました。しばらくお会いしてなかったよね? それでも、変わらない距離感でツッコミをしてくださって、懐かしいなと思いました。

小川:西堀さんは撮影時の待ち時間にもたくさん話してくださって、とても和やかな雰囲気を作ってくださいました。

ーーでは、お互いが相手役だと知った時はどう思いましたか?また、撮影期間で支えになった瞬間はありましたか?

川崎:ものすごくうれしかったです。「一緒にできるのうれしいね」と話していました。撮影中は、本当に彩の存在に助けられました。彩は常に “小川彩”でいてくれるんですよ。彩は疲れていてもずっと彩でいてくれる。だから、パッと見た時の安心感がすごくて。そういうところをとても尊敬しています。

小川:普段一緒に活動はしていますが、なかなか2人になることはないのでうれしかったです。撮影がライブの直後で大変な時期でしたが、桜が頑張っていると思ったら私も頑張れました。桜は本当に緊張していて、それを私に隠さず見せてくれていたのですが、そういう時って力強く手を握ってきてくれるんですよ。「強い強い」と思いながら手を握り返していたのですが、それがとてもうれしかったですし、私も緊張していたので桜のそういう姿に癒されました。

■「本当にまた違った桜という感じだった」

ーー今回共演して、お互いのお芝居で驚いたことはありますか?

川崎:彩とお芝居をするのは初めてだったのですが、セリフ読みがナチュラルで、やっぱり彩はすごいなと改めて尊敬しました。最近もいろいろお芝居をやっていたので、その経験が生きているんだなと思い、かっこいいなと思いました。

小川:みんなは桜のかわいらしいところに注目していると思いますが、今回主演が初めてなのにお芝居もとても魅力的で。本当にまた違った桜という感じでした。私は特に鷲尾さんが涙を流すシーンにひき込まれて、とても刺激を受けました。

■「鷲尾の生みの親である久保史緒里さんの熱量を伝えたい」

ーー川崎さんは今回、役作りでどんなことを意識しましたか?モデルにした人はいるのでしょうか?

川崎:私が演じさせていただいた役がとても変わった子だったので、彩に「普通じゃない」と思ってもらえるよう、自分が振り切って殻を破らないといけないなと思って演じました。

モデルとしては、鷲尾の生みの親である久保史緒里さんを意識しました。久保さんのラジオは、抑揚があって本当に耳をすまして聴きたくなるので、そういうところを出せたらいいなと。あと久保さんは野球がとても好きなので、その熱量をドラマを見てくださる方に伝えたいという強い思いがありました。セリフは自分に染み込むまで覚えて、どうやって久保さんの熱量に近づけるかを意識しました。

ーー小川さんは、川崎さんの芝居から久保さんを感じましたか?

小川:久保さんの面影も感じましたし、でも桜が演じるからこその良さもあって、いい塩梅だなと。とても良かったです。

■「乃木坂46の振り付けが、さりげなく仕草の中に入っている」

ーー小川さんは、平野(眞)監督の現場は「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)に続いて二度目ですね。

小川:芝居の経験もまだまだ少ないので、最初は本当に何も分からなくて。セリフをひたすら練習しても、実際現場で動きがついてくるととても緊張してしまいました。でも今回は、家である程度イメージして練習ができるようになったので、少し慣れてやりやすくなったなと感じました。

ーーそんな本作での、少しマニアックな注目ポイントを教えてください。

川崎:私は普段、モノトーンの私服が多いのですが、鷲尾ちゃんは色物を着ていることが多かったので、そのファッションセンスも楽しんでいただきたいです。私のサイリウムカラーがピンクと緑なのですが、黄緑色のずんだカラーのコートを着ているシーンがあって。映像で見るとそれがとてもいいアクセントになっていますし、中に着ていたベストもピンクと緑で、全身サイリウムカラーみたいになっています(笑)。

小川:乃木坂46の振り付けがたくさん散りばめられているところですかね。いろいろな仕草の中でさりげなく振り付けが入っているので、たくさん探してもらいたいです。西堀さんにもやっていただいたので(笑)。現場で、平野監督が試行錯誤しながら組み込んでくださいました。

■「与田祐希さんが本当に支えに」

ーー本作は、思い通りにいかない日常の中で2人が殻を破って成長していく姿が描かれていますが、お2人は困難に直面した際はどうやって乗り越えていますか?

川崎:私は、今まで先輩に助けていただく機会が本当に多かったです。先輩方は私たちの道を先に辿って乗り越えていらっしゃるので、何かあったら相談しています。特に、乃木坂46を卒業された山下美月さんと与田祐希さんにはとてもお世話になりました。孤独を感じて余裕がなくなってしまった時、与田さんに、焼肉へ連れて行ってもらったのですが、与田さんが「私がいるよ」って言ってくださって。「1週間頑張ったら、また1週間後に会おうね」と、ずっと近くにいてくださったので、本当に支えになってくださいました。

小川:私は、悩んだ時は基本的に自分で解決したいと思っていて。一人でたくさん考えて、なかなか消化できない時もありますが、「どうにかもう前に進むぞ」という気持ちで、いろいろな解決法を自分の感覚で試しています。いつかは正解が見つかると思うので、自分で試行錯誤しながら乗り越えています。

ーーでは、これまでの人生で自分の殻を破った瞬間はありますか?

川崎:私は、39枚目シングル「Same numbers」で、初めてフロントに選んでいただいた時です。「絶対にまたこの場所に帰ってきたいな」「応援してくださる皆さんに『この子でよかったな』と思ってもらえる存在になりたい」と思っていたので、自分なりの何かを見つける期間にしようと考えていました。私は普段、自分のことを話したり表現したりすることが苦手なのですが、自分からしっかり発信していきたいなと考えていました。「自分の中でこういうアイドルになりたいな」という理想像を作って、理想に近づけるよう自分にできることを実践していました。「最後のチャンス」だと思って、毎公演殻を破ることを目標にしていました。

小川:私は人より優れていることがあまりないので、「努力し続けることだけは負けないようにしよう」と思っています。今まで平凡に生きてきたので、あまり多くを語れるタイプではなくて、なかなか自分を出せないなと思うことは今でも多いです。でも、パフォーマンス中や、お芝居で「自分ではない他の誰か」を演じている時は、何でもできる気がして。恥ずかしさみたいなものがなくなるので、乃木坂46に入ってからたくさん殻を破れる機会をいただけてありがたいです。

■「周りの人を頼ることを忘れないでほしい」

ーー最後に、本作を通して学んだことや伝えたいことがあれば教えてください。

川崎:鷲尾ちゃんは自分の“好き”をなかなか言えない女の子ですが、金森凜ちゃんのように、近くにわかってくれる子がいます。そういう存在は、皆さんの周りにもきっといるのではないでしょうか。自分の殻に閉じこもらずに、周りの人を頼ることを忘れないでほしいなと思います。打ち明けたら肯定してくれる人がいると思うので、そうすればもっと自分の生きる世界が明るくなると私は信じています。この作品を通してそれを伝えられたらいいなと思っています。

小川:お芝居とアイドルというのは繋がる部分がたくさんあって、どちらにも還元できるものがあるなと改めて感じたので、そこを活かしていけたらなと思います。あと私は、“乃木坂野球部”に入っているので、もっと野球の勉強をして鷲尾さんみたいに深く語れるくらい詳しくなりたいなと思いました。

取材・構成・文=戸塚安友奈

※川崎桜の「崎」は正しくは「たつさき」。

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