
CS放送「衛星劇場」にて、8月に歌舞伎3作品がテレビ初放送されることが決定。今回放送されるのは、中村隼人が1人2役を務める新作歌舞伎「大富豪同心」、中村雀右衛門が出演する「宮島のだんまり」、坂東巳之助が出演する「神楽諷雲井曲毬 どんつく」。以下では、各作品の放送日時や見どころを紹介する。
■中村隼人が1人2役を務める新作歌舞伎「大富豪同心」
2025年1月に歌舞伎座で上演された「大富豪同心」は、幡大介の時代小説が原作の新作歌舞伎。NHKのBS時代劇として放送されたシリーズと同じく、中村隼人が卯之吉と幸千代の2役を務める。
江戸随一の豪商・三国屋徳右衛門の孫・卯之吉は放蕩三昧。見かねた徳右衛門が金に物を言わせて、卯之吉を同心として働かせるが、腕っぷしも弱く、刃物を見ると気絶するほど頼りない。一方、病に伏した将軍家政は弟・幸千代を江戸へ呼び寄せる。
新年を迎えた八幡様で、いつものように幇間の銀八を伴い遊び歩いていた卯之吉は、自分と瓜二つの男とすれ違う。大富豪の若旦那が同心となって難事件を解決する物語に、将軍の世継ぎ争いが絡んだ展開が繰り広げられる。
「大富豪同心」は8月3日(月)昼4:00、18日(火)昼4:00ほかに放送される。
■中村雀右衛門が見せる男の勇ましさと遊女の色っぽさ
2023年5月に歌舞伎座で上演された「宮島のだんまり」は、源平物語の登場人物が厳島神社に集まり、巻物を奪い合う形で美しい絵模様を展開するひと幕。
海辺の厳島神社。傾城浮舟太夫が、いわくありげな巻物を読みふけるところへ、巻物を奪おうと源氏の智将・畠山庄司重忠と大江広元が近づく。さらに浮舟を捕らえようと次々と人々が現れ、ついには平家一門を率いる平相国清盛も姿を見せる。
暗闇の中で、無言で互いの様子を探り合う「だんまり」は、歌舞伎独特の演出の一つ。本作では、主役が傾城に化けた盗賊という趣向で展開する。男の勇ましさと遊女の色っぽさを同時に表現する、中村雀右衛門の傾城六方での引っ込みが最大の見せ場となる。
「宮島のだんまり」は8月3日(月)昼5:30、13日(木)昼4:00ほかに放送される。
■坂東巳之助演じる“どんつく”と江戸っ子たちの対比
2024年1月に浅草公会堂で上演された「神楽諷雲井曲毬 どんつく」は、2024年新春浅草歌舞伎で披露された新年を祝うひと幕。坂東巳之助演じる田舎者のどんつくと江戸っ子たちとの対比が楽しい、江戸の風俗舞踊となっている。
幕開きは、どんつくと親方の鶴太夫、太鼓打の3人がにぎやかに踊る。続いて田舎侍と若旦那、子守が踊り、促された白酒売も白酒の言い立てから踊り始める。
後半は芸者が大工を相手に艶っぽく踊り、どんつくと鶴太夫が扇を使って軽やかに舞う。最後は全員がそろって初春を寿ぎ、華やかに舞い納める。
「神楽諷雲井曲毬 どんつく」は8月4日(火)昼4:00、26日(水)昼5:30ほかに放送される。

