ピンクのおりものが出た時、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や注意しなければいけない症状・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
阿部 一也(医師)
医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。
「ピンクのおりもの」症状で考えられる病気と対処法
おりものは、腟から分泌され、腟を清潔に保ち、潤った状態をキープする役割がある液体です。通常は透明または白色、淡い白色ですが、何らかの原因で少量の血が混じってピンクに見えることがあります。今回の記事では、ピンクのおりものが出る原因などについて解説します。
生理中ではないのにピンクのおりものが出る症状で考えられる原因と対処法
生理(月経)以外にピンクのおりものが出る場合、不正性器出血の可能性があります。ホルモンバランスの問題が原因となるものが多いです。例えば、排卵の時期に起こる中間期(排卵期)出血があります。これは、一過性に少量の出血が2〜3日間続き、自然に止まるものです。
そのほか、頻度は低いですが子宮頸がんや子宮体がん、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫が原因となることもあります。子宮頸管炎、クラミジアなどの感染症も考えられます。
数日で治るようであれば様子を見ることも可能ですが、出血が続く、においやかゆみがある、下腹部痛があるような場合には婦人科受診をおすすめします。
ピンクのおりものが出て生理が来ない症状で考えられる原因と対処法
生理予定日を過ぎているにもかかわらず、生理がこない、かわりにピンクのおりものが出た際は注意が必要です。妊娠による着床出血 や、生理不順・ホルモンバランスの乱れ、子宮外妊娠(異所性妊娠)など妊娠初期の異常の可能性があります。
生理前にピンクのおりものが出る症状で考えられる原因と治し方
生理前にピンク色のおりものが出る場合、黄体機能不全などの可能性もあります。 黄体機能不全は、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌が低下することで子宮内膜を厚く保つことが難しくなる状態です。結果、生理期間以外に少量の出血がみられます。そのほか、妊娠初期の兆候、子宮頸部のびらんや感染症などもあります。一回で終わるような場合は問題ないこともありますが、繰り返すようであれば婦人科での相談をおすすめします。
妊婦さんの「ピンクのおりもの」症状で考えられる病気と対処法
妊娠中にピンクのおりものが出る原因を挙げていきます。
妊娠初期にピンクのおりものが続く症状で考えられる原因と対処法
妊娠初期にピンク色のおりものが続く場合、着床出血などが考えられます。また、妊娠初期には子宮頸管が普段よりも出血しやすい状態となります。特に、性行為などがあると少量の出血がみられることがあります。一方で、切迫流産の初期などを示唆するケースもあります。妊娠初期にピンクのおりものが続く場合には、産婦人科を受診してください。
妊娠初期にピンクのおりものと痛みがある症状で考えられる原因と対処法
妊娠初期に痛みとともにピンクのおりものがある場合、腟の感染症や流産、子宮外妊娠などの可能性もあります。
妊娠6週目でピンクのおりものが出る症状で考えられる原因と対処法
子宮外妊娠の症状は、妊娠6〜8週の間に現れる傾向があります。下腹部(左右どちらか)の痛みや腟からの少量の出血、排尿や排便の際に不快感があるなどの症状があれば、産婦人科での診察を受けるようにしましょう。
妊娠後期でピンクのおりものが少量出る症状で考えられる原因と対処法
妊娠後期にピンクのおりものが出る場合、おしるしという出産が近いサインかもしれません。妊娠中に子宮の頸部に溜まっていた粘液の塊が剥がれ落ちたものです。子宮頸部が分娩の準備を整えていることを示しています。また、まれではありますが、胎盤の早期剥離や前置胎盤も妊娠後期の出血の原因となります。不安があれば、すぐに医療機関に相談するようにしてください。

