すぐに病院へ行くべき「ピンクのおりもの」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
ピンクのおりものが出て腹痛がある場合は産婦人科へ
ピンクのおりものに加え、下腹部痛、腰痛や発熱がある、おりものがだらだらと出る際は産婦人科医の診察を受けてください。
病院受診・予防の目安となる「ピンクのおりもの」が出る症状のセルフチェック法
・ピンクのおりもの以外に腹痛、腰痛や発熱などの症状がある場合
・ピンクのおりものが生理周期に関係なく続く場合
・おりものに異臭がする、色がピンクから鮮血に変化するなどの異常もある場合
これらの症状は、婦人科系の病気のサインかもしれません。また、妊娠していることがわかっている方の場合には、早めにかかりつけの産婦人科医に相談してください。
「ピンクのおりもの」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「ピンクのおりもの」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
不正出血・不正性器出血
正常な生理による出血以外でみられる出血は、不正性器出血と呼ばれます。原因としては、妊娠、流産、子宮外妊娠など、妊娠に関連するものがまず挙げられます。そのほか、子宮頸部や外陰部の炎症、子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんなどの腫瘍によるものもあります。
着床出血
子宮の内膜に受精卵が着床すると、内膜の血管が破綻し出血を引き起こすことがあります。これが着床出血です。通常は、1〜2日ほど少量の出血が続きます。出血量としてはわずかなので、ピンクや茶色のおりもののようにしばしばみられます。しかし着床出血かどうかの判断は医師でも困難なので、心配な場合は受診する方が良いと思います。
排卵期出血
正常な生理周期は、卵胞の発育、排卵、黄体の形成、子宮内膜の脱落という一連の変化によって成り立ちます。排卵に伴うホルモンの変化によって、一過性に少量の出血がみられますが、2、3日で自然に止まります。
生理不順
生理周期が不規則であり、次の生理の予測が立てられない状態を、生理不順(月経不順)といます。 原因としては、生理が始まった時期、妊娠、更年期の始まりの時期であることがあります。そのほか、ストレスや不安、体重の急激な変化、運動のしすぎも原因となります。さらに、甲状腺機能低下症(橋本病)、向精神薬や抗潰瘍薬によって高プロラクチン血症が起こり、生理不順の原因ともなります。なお、プロラクチンとは脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンで、主な働きは乳汁の分泌を促すことです。出産後の女性において、乳腺の発達を促し、母乳の産生・分泌を維持します。
子宮頸がん/子宮体がん
子宮頸がんは、子宮の入口である子宮頸部にできるがんです。初期の症状は乏しいですが、中には少量の出血が発見のきっかけとなる方もいるでしょう。出血以外には、悪臭が混じった膿のようなおりものになる、などの変化もあります。また性交時痛や腰痛をおこすこともあります。子宮体がんは、子宮体部(子宮の中)にできるがんです。ピンクのおりものが初期症状となります。生理痛に似た下腹部痛を伴うケースもみられます。

