
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「comipo」で掲載中の『死ねない彼女は終を夢見て旅をする』(comipo comics刊)を紹介する。comipoチャンネルの公式アカウントが、9月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、『墓守妻と黄金竜 はめられた花嫁ですが、ご先祖様が助けてくれるようです』(原作・江本マシメサさん、KADOKAWA刊)で知られる作者のよはちさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■呪われた聖女と護衛騎士の旅

呪われた聖女・ミルカは護衛騎士のロディと2人で、“ある手がかり”をつかむため旅をしている。ところがウィリスタリアという街に着いて早々、貧民層に住むテオに荷物を奪われてしまう。さらにテオも、その荷物をゴロつきに奪われそうになっていた。
そこへロディが現れゴロつきを撃退し、怪我したテオを手当てするミルカ。その後ミルカがテオから街の様子を聞いていると、テオを心配した母親がやってくる。しかし、心配しているのはテオ自身ではなく、テオの左目のようで…。
本作を読んだ人たちからは、「切ない」「2人の行く末に注目」「ハッピーエンドが見たい」「心に刺さるお話」など、多くのコメントが寄せられている。
[HEAD]作者・よはちさん「キャラクターの行動や考えがブレないよう意識をしました」[/HEAD]

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
昔、友人と少女をテーマにした合同誌を作ったときに描いた女の子でお話を作ってみようと思ったのがきっかけでした。設定は少し違いますが、今と同じように護衛の男の子と2人旅をするお話でした。同人誌としてネームも作ってあったのですが、うまくまとまりきらなかったのでお蔵入りしていました。その1部を取り入れつつ再編成したのが今作となります。
――本作では、かわいらしい印象のミルカが、普段と異なる姿で圧倒するシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
ミルカとロディのかけあいです。毎話なるべく入れるようにしていますが、少しずつアプローチの仕方を変えているので、回を重ねるごとの変化も含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
――よはちさんが『死ねない彼女は終を夢見て旅をする』の中で、じっくり読んでほしい!というエピソードがありましたら、ぜひお教えください。
どのエピソードも楽しく描かせていただいたのですが、やっぱり一番読んでほしいのはミルカとロディの2人のお話です。全体を通しての2人の旅を見届けていただいて、特に最後3話、なかでも18話は一番力を入れたのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
旅のお話なので都度ゲストが登場しますが、ゲストが主人公なだけのお話にならないように、ミルカとロディの2人がゲストに関わったり、2人に影響を与えるようにするのが大変でした。また、キャラクターの行動や考えがブレないよう意識をしました。こういうときミルカはこういう行動はしないだろう、ロディならこうするだろう、といった部分を編集さんとじっくり話し合いながら進めていきました。
――本作はミルカとロディの表情だけではなく、衣装や建物などの細部まで丁寧に描かれていますが、作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
本当に大変なときは友人に手伝いをしてもらったのですが、基本的にはほとんど1人で作業していたので、背景などはアンリアルエンジンのアセットを利用して描いていました。漫画の絵に落とし込むのに苦戦しましたが、背景がスカスカにならないよう頑張ったので読みやすさにつながっていたら嬉しいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
叶うなら紙の単行本になって本棚に並べられる日がきたらとても嬉しいです!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
本作はすでに完結済みの作品ですので、今からでもミルカとロディの旅の行く末を見届けていただけたら嬉しいです。また、ボイスコミックも作っていただいて、声優さんの演技がとても素敵なのでぜひ合わせてお楽しみください!編集さんと二人三脚で作り上げた良い漫画だと思っていますので、たくさんの方に読んでいただけたら嬉しいです。

