【職業紹介】学校の勉強は仕事に役立つ?農学部を卒業しメーカー品質保証部に所属するまでを教えます

【職業紹介】学校の勉強は仕事に役立つ?農学部を卒業しメーカー品質保証部に所属するまでを教えます

今の仕事を選んだのはなぜ?どんなルーツを辿ったの?学生時代の学びは今の職業にどう活かされている?今回は絆創膏メーカーである東洋化学株式会社品質保証部の森村一貴さんから、メーカーならではのお話を伺いました。

興味のある分野で学んだ知識が、今の職務に活かされている

元々は製品開発をしていて、昨年より品質保証業務を行っています。
皆さんは滋賀県で絆創膏が作られていることをご存じでしょうか。私は滋賀出身ですが大学で就職活動をするまで知りませんでしたし、想像もしたことがありませんでした。なので、特に絆創膏メーカーを目指していたわけではありませんし、大学の学部や研究内容が直接的に就職に結び付けた意識はありません。
上記の通り、現在の職業という意味でキャリアというと、就活のタイミングということになります。あまり日本的な考え方ではないかもしれないですが、そもそも私は大学の選択において就職のためという意識が全くなく、自分の興味を突き詰めるために選びました。
一方、大学の学部選択という意味でいうと、小学生時代の体験が影響しているなと感じます。私は小学生の時、県内の博物館に毎週のように連れて行ってもらい、仲良くなった学芸員の方にさまざまなことを見せてもらったり、教えてもらったり、博物館で開催されるイベントの運営の手伝いをしたりしていました。そういった経験を大学受験の際に改めて思い返し、その時から興味があった微生物を学びたいと思って大学の学部を決定しました。

大学および大学院は農学部でした。農学部というと農業とイメージされる方も多くいると思います。しかし、全員が農業について学んでいるわけではありません。
昆虫を勉強している人もいれば、遺伝子の勉強をしている人もいるし、栄養の勉強をしている人、物流の勉強をしている人、アフリカなど地域の勉強している人までいます。農学というのは食べ物を中心として、植物、動物、自然、地域など人が関わるあらゆるものを扱います。
私はその中でも微生物を専攻しており、主に発酵食品を作る酵母や乳酸菌の研究をしていました。具体的には、地元の森や食品から採った酵母や乳酸菌を同居させ、バイオフィルムという膜を作る仲良しな酵母や乳酸菌を見つけ、そいつらを使ってよりおいしい発酵食品を作れないかというテーマで研究を行っていました。
また、絆創膏は消費者の方に安全なものを届けるために滅菌をしなければいけないものもあります。滅菌関連の業務としては、製造環境の空気中や製造機械・製品に付着している菌数の測定などがあり、また、現在の滅菌工程で「本当にすべての菌を死滅させられているか」を科学的に検証する滅菌バリデーションを実施しなければなりません。そうしたところでは大学で学んだ知識を活かすことができます。
例えば大学で資格を取得しないとなれない職業もありますし、この職業につきたいと明確にイメージして高校や大学を選択するのももちろん大切ですが、具体的にまだ決まっていなくても、その時々の選択をしっかりと考えて自ら決めることが大切なのかなと感じています。
このように、特に就職のためのキャリア選択を明確にしたわけではありませんが、こうした経験から、就活の際に、滋賀県で開発の段階からものづくりができる企業を選んだ結果、現在のキャリアに至っています。

現在の仕事を通じて、学校教育の大切さを実感

私が過去を振り返って最も大事だったと思うのは国語です。受験では問題文を理解しないといけませんし、小論文を書くこともあるでしょう。大学では論文を読んだり、レポートを書いたり、就職後も報告書を書いたり、ISOやQMSなどの品質に関する規格を読まなければいけなかったり、特許を読むこともあります。最近ではAIが発展してAIに文章を書いてもらうこともありますが、それが正しい文章かは自分で確認する必要がありますので、日本語の読み書きは一生付きまとう問題です。
私は学校の勉強もそうですが、小学生のころから小説や伝記、専門書などをたくさん読んでいたことも良かったなと感じます。これはSNSやLINEで文章を読んだり書いたりするのとは全く違います。正しいインプットがなければ、正しいアウトプットはできません。
また、数学はあらゆるところに使います。例えば、工場でのものづくりは、パソコンで「コピペ」をするように、全く狂いの無い同じものを作ることはできません。同じ条件で同じように作ってもどうしても「ばらつき」が出ます。この「ばらつき」を考えるときは数学Ⅰで習う平均や標準偏差、相関係数をそのまま使います。日常生活ではどこで使うのかわからない「√」も頻出します。
さらに絆創膏にも設計図があり、図面を書いたり、それを見て測定したりしますので、図形の問題に出てくる平行や垂直、接線、交点といったものも良く使います。
今あげたものは直接的に関係するものばかりですが、それだけでなく、現在全く日常で関係のないものであっても、意味がなかったとは思いません。例えば漢文は日常生活では一切触れることはないですが、返り点などの決められた構造から意味組み立てていくという点で数学とは違う方面から考える力を鍛えられていたのではないかと感じますし、今振り返って思うと学校教育というのはよくできていたのだなと感じます。

東洋化学株式会社

執筆者

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森村一貴

森村一貴

2019年:龍谷大学農学部植物生命科学科卒業
2021年:龍谷大学農学研究科食農科学専攻卒業
2021年:東洋化学株式会社入社
2022年:顧客のニーズを元に「家事がはかどる指保護テープ」を製品化
2022年:試作と貼付テストを繰り返し、直観的に使用でき、かつ指先から第一関節までをきれいに覆うことができる仕様・形状の「プロ仕様手荒れ保護フィルムフィットバンN指先スタンダードサイズ・Lサイズ」を開発。
2024年:睡眠時の鼻呼吸をサポートする「おやすみテープ」(無香料・さわやかミント・はなやかゼラニウム・すっきりベルガモット)開発。
2025年:品質保証部へ異動。製品の品質保証業務に従事。


私生活では登山やスポーツ観戦、カメラを趣味とし、登山には自社の絆創膏を携行。実際の使用感も製品づくりに生かしている。

【特許】
「衛生用品」
(切り離さずに使え、かつ切り離したいときに切り離せる剥離フィルムを開発、特許取得)

【資格】
QC検定2級

東洋化学株式会社

配信元: ママ広場

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