「子どもが手足口病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?【医師監修】

「子どもが手足口病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?【医師監修】

手足口病は、夏に流行しやすい子ども特有のウイルス感染症で、特に5歳未満の乳幼児によくみられます。手や足、口腔内に小さな水ぶくれができるのが特徴で、多くの場合は自然に回復しますが、まれに重い合併症を引き起こすこともあります。本記事では、手足口病の原因や代表的な症状、注意すべき合併症などをわかりやすく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「子どもが手足口病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?看病する際のポイントも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

居倉 宏樹

監修医師:
居倉 宏樹(医師)

浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。

子どもの手足口病とは

子どもの手足口病とは

子どもの手足口病はどのような疾患ですか?

手足口病とは、手のひら・足の裏・口腔内などに、水ぶくれ(水疱)を伴う発疹(ほっしん)が現れる感染症です。乳幼児(特に5歳未満)を中心に、例年夏をピークに流行します。一般的には数日から1週間ほどで回復しますが、まれに重い合併症を起こすこともあるため、保護者の観察と適切な対応が重要です。

手足口病の原因を教えてください

主な原因ウイルスは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスです。感染経路は、くしゃみや咳による飛沫感染(ひまつかんせん)や、ウイルスが付着した物を触ることによる接触感染が一般的です。保育園や幼稚園などの集団生活では特に広がりやすく、ひとりの感染からクラス全体に広がることもあります。

手足口病にはどのような症状がありますか?

手足口病は、感染してから3~5日の潜伏期間を経て発症します。症状は、口腔内や喉の粘膜、手のひら、足の裏、指先、おしりなどに2~3mm程度の水疱を伴う発疹ができるのが特徴的です。口腔内の痛みから、子どもが食事を嫌がることもあります。感染者の30〜50%で発熱がみられますが、熱はあまり高くならず(38℃以下)、通常は1〜3日で自然に解熱することが多いです。水疱は3~7日ほどで消退するといわれています。

手足口病の合併症を教えてください

手足口病は、多くの場合は軽症で済みますが、まれに重い合併症を起こすことがあります。

【脳や神経への影響】
まれですが、脳や神経系に関連した合併症が報告されています。代表的な疾患は、以下のとおりです。

無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)・脳炎
髄膜炎は、脳を包む膜(髄膜)に炎症が起きる疾患です。主な症状として、頭痛と発熱、嘔吐がみられます。多くは自然軽快し、後遺症を残さず回復しますが、まれに脳炎に進行する可能性もあるため注意が必要です。脳炎に進行すると、髄膜炎の症状に加えて意識障害やけいれん、記憶障害などが現れます。 小脳失調症(しょうのうしっちょうしょう)
身体のバランスや動きを調整する小脳や、小脳に関連した神経が障害されることで発症します。歩行時のふらつきや、手足をうまく動かせない、話し方が不明瞭になるなどの症状がみられます。 急性弛緩性麻痺(きゅうせいしかんせいまひ)
筋力が急激に低下し、手足に力が入らなくなるといった麻痺の症状がみられます。重症例では呼吸筋の麻痺を来すこともあります。

これらの合併症は、エンテロウイルス71型というウイルスが原因の場合に起こりやすいとされています。

【心臓や肺への影響】
神経や脳以外にも、心臓や肺に関連する合併症を引き起こすこともあります。

心筋炎
ウイルスが心筋に感染して発症する疾患です。初期症状には息切れ、動悸、胸の痛みなどが現れることがあります。進行すると、心不全や不整脈を引き起こすリスクもあります。 神経原性肺水腫(しんけいげんせいはいすいしゅ)
神経の異常によって、肺に水がたまった状態です。症状には、突然の呼吸困難、息切れ、顔色不良、チアノーゼ(唇や爪先が青紫色になる)などがあげられます。

注意が必要なのは、発疹や発熱などの典型的な症状があまり出ないのに、疾患が重くなってしまうケースもある点です。見た目が軽いように見えても、子どもの様子がおかしいと感じたら、すぐに病院を受診してください。

そのほか、コクサッキーウイルスA6型による手足口病では、症状がおさまった後に手や足の爪が一時的に剥がれてしまうことがあります。見た目には驚かれるかもしれませんが、多くの場合は自然にもとに戻ります。

編集部まとめ

編集部まとめ

手足口病は子どもに多いウイルス感染症で、特徴的な発疹や口内炎がみられます。基本的には数日で自然に回復する疾患ですが、まれに重症化する症例もあるため、症状の変化に注意して見守る必要があります。特に水分がとれない場合や、ぐったりしているときは早めに医療機関を受診してください。

家庭での看病では、脱水に注意しながら、子どもが快適に過ごせる環境を整えることがポイントです。また、手洗いや消毒をこまめに行い、家庭内の感染予防に努めることも大切です。

参考文献

こども家庭庁保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)

厚生労働省手足口病

東京都感染症情報センター手足口病とは

配信元: Medical DOC

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