「ただ着たくて着てるだけ…」スラックス女子=LGBTQの誤解への嘆きにSNSが共感!令和の学校現場が抱える深刻なジェンダー・ハラスメント

「ただ着たくて着てるだけ…」スラックス女子=LGBTQの誤解への嘆きにSNSが共感!令和の学校現場が抱える深刻なジェンダー・ハラスメント

多様性の推進が「カミングアウト」を強要する逆説

 この誤解は、文部科学省が2015年から服装の柔軟化を推進しているにもかかわらず、現場では逆効果を生むケースが散見されることを示しています。例えば、菅公学生服の2021年調査では、約6割の学校がLGBTQに配慮した服装を導入・検討中であり、「女子スラックス採用」が最多(50.1%)となっています。

 しかし、「ジェンダーレス制服」がトランスジェンダー偏重ではなく、全生徒の満足を優先し、選択の自由を広げるために導入されたにもかかわらず、世間では「制服の柔軟化=LGBTQへの配慮」という短絡的な図式が広がり、着用者がレッテル貼りされるリスクが高まります。

 ある引用リポストでは、「スラックスを選ぶ女の子が『表現する性=男認定』されてスカートしか選べない。『多様性』と言いながら生き辛い社会」と嘆かれています。自由な選択を認めるはずの多様性の推進が、結果として「選択=カミングアウト」の強制を生み、少女たちを追い詰めているという逆説的な状況が生まれているのです。

教育現場の過渡期をどう乗り越えるか

 日本では、2025年現在、ジェンダーギャップ指数が148カ国中118位と低迷しており(世界経済フォーラム報告)、学校制服の多様化が進む一方で、根本的な課題は残ります。文部科学省は2022年に改訂した『生徒指導提要』に「性的マイノリティに関する課題と対応」の項目を新設し、教師の理解促進の必要性を明記しましたが、指導の質が追いついていません。

 この課題を乗り越えるためには、まず、指導者が正しい知識を持つための教師研修を義務化し、教育の現場で曖昧な認識が広がることを防ぐ必要があります。次に、制服の多様化の目的をLGBTQの配慮のみに限定せず、利便性や防寒も含めた「選択の自由」を強調した広報を行うことで、着用者へのレッテル貼りを解消しなければなりません。そして、生徒たちが自ら多様性を学び、異なる個性を自然に受け入れられるよう、生徒主導の多様性教育の実施も急務と言えます。

配信元: LASISA

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