佐藤アイさんは、夫と2歳の息子・レン君、義母の4人暮らし。初めての子育てに奮闘しながら、レン君を育てています。
レン君は、些細なことで癇癪を起こして泣きわめく、いわゆる「イヤイヤ期」の真っただ中。アイさんは、なるべく穏やかに向き合う育児を心がけていました。
しかしある日、義母が買ってきた洋服を嫌がって大泣き。義母から「甘やかしすぎ」と言われ、アイさんは落ち込んでしまいます。その後、レン君と買い物へ出かけますが、なかなかスーパーへたどり着けず、到着後も「キャラクターカートに乗りたい」と大騒ぎ。アイさんは「私の育て方のせい?」と不安を募らせます。
そんな中、少し目を離した隙に、レン君がカートから抜け出してしまいます。急いで探すと、見知らぬ女の子をカートから引きずり降ろそうとしていました。アイさんは慌てて謝罪しますが、レン君は泣きわめいて暴れ続けます。周囲の視線に耐えきれず、アイさんは逃げるようにスーパーをあとにしました。それでもぐずり続けるレン君の泣き声を聞いて……。
スーパーでの一件をきっかけに膨らんだ疑念














「私、母親に向いていないのかも……」
アイさんは、自分を責め続けます。妊娠前から本やSNSで育児について調べ、「やさしいお母さんになろう」と心に決めていたアイさん。しかし、その理想とはかけ離れた自分の姿が情けなく、涙が止まりません。
そして、スーパーでの一件をきっかけに、これまで心の奥に押し込めていた疑念が、はっきりと浮かび上がります。
「レンは、もしかして育てにくい子なの?」
以前、本で読んだ「発達障害」の特徴に、レン君が当てはまっているように思えたのでした。
◇ ◇ ◇
子どもの発達には個人差があり、癇癪や飛び出しといったひとつの行動だけで、発達障害(神経発達症)かどうかを判断することはできません。幼児期に見られる癇癪などの行動の多くは、言葉で気持ちを伝えたり、感情をコントロールしたりする力が育つにつれて、自然に落ち着いていきます。
また、発達障害は親のしつけや愛情不足が原因で起こるものではなく、保護者が「自分の育て方が悪かったのでは」と自分を責める必要はありません。
子どもの発達が気になるときは、ひとりで判断せず、まずはかかりつけの小児科や乳幼児健診、市区町村の保健センター・子育て相談窓口などに相談してみましょう。相談する際は、気になる行動が「いつ、どのような場面で、どのくらいの頻度で起きるのか」を記録しておくと、状況を伝えやすくなります。診断を急ぐのではなく、子どもと家族が困っていることを整理し、その子に合った関わり方や支援につなげていくことが大切です。周囲の力も借りながら、一歩ずつ進んでいきたいですね。
監修:松井 潔先生(小児科医)医療法人産育会 堀病院
次の話を読む → 監修者:医師 医療法人産育会 堀病院 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、医療法人産育会 堀病院にて新生児診療に従事。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
著者:マンガ家・イラストレーター 桃津もっち
