
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『何か居たり居なかったりする話』を紹介する。作者のタニシさんが、9月9日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、タニシさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■演習場で起きる“不思議”なこと

東F演習場のI神社付近では、2人の自衛隊が見張りをしていた。すると1人が尿意を催してその場を離れることに。しかし「…雨止まないっすねぇ」と残った男に声がかかる。隣にいた男の声だと疑わずにいたが、いつまでも話し続けるので“早く行け”と促すとそこには誰もおらず…。
A演習場南橋集結予定地域では、ある中隊の先行班3人が歩哨壕を掘る場所を探すため散らばっていた。すると1人の男が自分の後ろに誰かがいることに気づく。その後、散らばっていた2人の仲間、下田・大森と合流するが、男には大森が2人いるように見えていて…。
この演習場でのレポートを読んだ人たちからは、「中々の心霊っぷり」「演習場は良く見えると聞く」「真夜中に行軍する時点で疲労がな」「実際居合わせたらゾクっとしそう」など、多くのコメントが寄せられている。
■「自衛隊などに興味や知識の無い方が読んでもすんなり読めるように」作者・タニシさんに漫画創作へのこだわりをインタビュー

――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
元々、常備自衛官を退職してから思い出の備忘録として当時の日常生活を描き始めその中で自分の聞いた心霊話を漫画にして掲載したところ評判が良かったので、知人友人でOBの方々にネタを募り今回はそれを漫画化させていただきました。今回に限らず時折助けられております。この場を借りて御礼申し上げます。
――本作では、各演習場や基地、隊舎などで巻き起こる不思議な体験が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
こだわりというよりは投稿した漫画やイラストを読んで頂ける方の中には事情に詳しい方もおられるので、ここは違うんじゃないかとツッコミが入らないよう作中の装備やシチュエーションに齟齬が出ないように描き、毎回恐る恐る投稿しています(笑)。また、逆に自衛隊などに興味や知識の無い方が読んでもすんなり読めるように気をつけています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
i島最後のページの左上ですかね…某映画の登場キャラとの対比でシュールに描けたと思いますが誰からも反応がなかったあたり似ずにただ滑っただけかもしれません。
――本作を創作するにあたって、たくさんのお話をうかがっているタニシさんご本人は、不思議な体験をしたことはあるのでしょうか?
ある日の夜行軍では真っ暗な演習場をひたすら幻覚を見ながら歩いていました。前を歩く人の背嚢に小さなこびとがぶら下がっていたり、10mくらいの鳥をみたり…ただ、夜間訓練での幻覚の類は経験する方も多いので特に珍しいことでもないみたいです(笑)。
――今後の展望や目標をお教えください。
もう少し描き溜まったら、また纏めてコミケで本にしたいです。今は別のものを描いてるので来年以降になるとは思いますが…。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつもご覧いただきありがとうございます。遅筆ですみません。辞めた人間なのであまり偉そうなことを言うのも気が引けますが、柵の外からは想像しづらい自衛隊という仕事にも興味を持っていただければ幸いです。

