第一子を出産して2日目のことです。その日は、義両親と一緒に義叔母も面会に来る予定でした。私は授乳指導が少し長引いてしまい、病室へ戻る途中でした。ようやく病室へ戻ると、なぜか義両親だけが慌てた様子で待っていました。「大変なことになったの!」そう言われ、私は一気に不安になりました。
病室でまさかの……!
話を聞くと、義叔母は義両親より少し遅れて病院に到着したそうです。事前に義母から病室番号を伝えられていたものの見間違え、私たちの部屋の「隣」に入ってしまったとのこと。
その病院は個室が並ぶ造りで、扉に名前の表示はありませんでした。そのため義叔母は、すっかりそこを私たちの病室だと思い込んでしまったようです。
待望の赤ちゃんに会えると舞い上がっていた義叔母は、赤ちゃんを見るなり「まあ、なんてかわいい! 兄さんたちの初孫ちゃんね~!」と声をかけ、親戚に報告するつもりだったのか、スマートフォンで写真まで撮り始めてしまったのです。
すると、その様子を戸惑いながら見ていた隣室のママさんが、義叔母に声をかけたそうです。「失礼ですが……どなたかと間違えていませんか?」「えっ?」
義叔母は一瞬きょとんとしたあと、病室の中を見回しました。そして、目の前にいるのがまったく知らないご家族だと気づくと、顔面蒼白に。「ぎゃーっ! ご、ごめんなさい! 病室を間違えました!」
大きな声を上げ、何度も頭を下げたそうです。待望の赤ちゃんだと思って写真まで撮っていたものの、実際にはまったく別のご家族の赤ちゃんだったのです。
義叔母は慌てて撮影した写真をその場で削除。騒ぎに気づいた看護師さんも駆けつけてくれたため、大きなトラブルにはなりませんでした。
お祝いムードどころではなく……
義叔母は隣室のご家族に平謝りしたあと、あらためて私たちの病室へ顔を出してくれました。しかし、先ほどの出来事で義叔母はすっかり落ち込んでおり、私たちもどう声をかければよいのかわかりません。待ち望んでいた赤ちゃんとの対面だったものの、せっかくのお祝いムードとは程遠い、気まずい空気になってしまいました。
義叔母も「赤ちゃんがかわいくて、舞い上がってしまった。本当にごめんなさい」と、何度も反省の言葉を口にしていました。退院後、義叔母はあらためてお菓子を持って義実家へ来て、何度も謝ってくれました。
後から看護師さんに聞いた話ですが、病室の間違いはまれにあるそう……。あらためて確認の大切さを実感しました。
それ以来、面会に来る人には病室番号だけでなく、病棟や部屋の位置まで詳しく伝えるようにしています。到着したら一度連絡をもらうことも、わが家のルールになりました。
出産直後の病院では、家族も親族も気持ちが高ぶりやすいもの。だからこそ、病室や名前をしっかり確認することが大切なのだと感じた出来事でした。
著者:西村美咲/40代女性/育児休業中の母。普段は事務職として働いています。休日は読書やカフェ巡りを楽しんでいます。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)

