オールオン4で歯科用CT検査が必要な理由とは?そのほかの検査内容や費用の目安も解説

オールオン4で歯科用CT検査が必要な理由とは?そのほかの検査内容や費用の目安も解説

オールオン4を受けるために必要な検査

オールオン4を受けるために必要な検査

オールオン4治療を受ける前には、お口の中だけでなく全身の健康状態まで含めたさまざまな検査を行います。インプラント治療は外科手術を伴うため、患者さんごとに異なる体調や既往症を把握し、安全に手術できるか確認する必要があるからです。ここでは主な検査項目である血液検査やアレルギー検査、レントゲン検査について解説します。

血液検査

血液検査はインプラント手術を安全に行うために必要な検査です。血液を調べることで、血糖値、肝機能、腎機能、貧血の有無、血液の凝固機能、感染症の有無など全身状態を把握できます。インプラント手術中は出血を伴いますし、術後の傷の治りにも全身状態が大きく影響します。

また、血液凝固能も重要です。凝固能が低いと手術中に出血が止まりにくかったり、術後の治癒が遅れたりするおそれがあるため、事前に数値を確認します。肝機能の検査も行われ、肝臓の働きが落ちていると麻酔薬や抗生剤の代謝に支障をきたし、副作用リスクが高まる可能性があります。このように血液検査で異常がみつかった場合は、必要に応じて内科主治医と連携しながら万全の体調で手術に臨めるよう対策を取ります。

血液検査自体は採血するだけで特別難しいものではありません。場合によっては最近受けた人間ドックや健康診断の血液検査結果を持参すれば再検査を省略できることもあります

アレルギー検査

インプラント治療で主に問題となるアレルギーは金属アレルギーです。インプラント体の素材であるチタンはアレルギーを起こしにくい金属ですが、それでも安全とはいい切れません。過去に金属アクセサリーや歯科金属でかぶれた経験がある方は、事前にパッチテストなどのアレルギー検査を受けておくことが望ましいでしょう。

パッチテストとはアレルゲンを皮膚に貼り付け、48~72時間後に湿疹などの反応が出るか確認する検査です。これによりチタンやチタン合金に対するアレルギーの有無を事前に調べることができます。

万一チタンアレルギーがあると診断された場合でも、オールオン4が絶対に受けられないわけではありません。最近では金属を一切使わないジルコニアインプラントという選択肢も普及してきています。

ジルコニアは生体親和性が高くアレルギーの心配がない素材で、見た目も白く審美性に優れています。金属アレルギーが心配な方は、事前に歯科医師に申告し必要なら検査を受けておくことで、治療法の選択肢を確保できます。なお、金属以外にも麻酔薬や薬剤に対するアレルギーがある場合も問診で必ず伝えましょう。

レントゲン検査

レントゲン検査も基本的な検査項目の一つです。具体的には口腔全体のパノラマレントゲン撮影を行い、顎骨の大まかな高さや形状、残っている歯や歯根の状態、歯周病の有無などを確認します。レントゲン写真は2次元ではありますが、顎全体の概観を短時間で把握できるという利点があります。

例えば、顎骨が極端に痩せていないか、嚢胞(のうほう)や炎症が写っていないか、残存歯にむし歯がないかなどをチェックします。オールオン4の場合、残っている歯があれば抜歯が必要かどうか、抜歯後の骨量は足りそうか、といった判断にもレントゲン画像が役立ちます。

ただし、レントゲンは平面的な情報しか得られないため、詳細な骨の厚みや神経位置の把握には歯科用CT検査が不可欠です。レントゲンと歯科用CTそれぞれの長所を活かし、口腔内の状態と顎骨の状態をもれなく評価して治療計画に反映させることが重要です。

オールオン4の検査にかかる時間と費用の目安

オールオン4の検査にかかる時間と費用の目安

オールオン4を検討するうえで、事前検査にどれくらい時間と費用がかかるのかも気になるでしょう。ここでは一般的な検査に要する時間と、その費用の目安を解説します。なお、実際の所要時間や費用はクリニックによって異なりますが、あくまで参考としてお読みください。

オールオン4の検査にかかる時間

検査自体にかかる時間は、それほど長くありません。初診時または2回目の来院時にまとめて検査を行いますが、検査はおおむね1時間程度で完了します。各検査の内訳をみても、歯科用CT撮影自体は数分で終了します。撮影後、その画像データを確認、分析する時間が10~20分程度かかる場合がありますが、これも含めて歯科用CT検査全体でもおおよそ10~30分以内には終わるでしょう。

レントゲン撮影はさらに短時間で、撮影自体は数十秒、準備含め数分程度です。血液検査は採血に数分、結果は院内検査なら当日中、外部委託なら翌日~数日で判明します。アレルギーのパッチテストのみ、貼付後48~72時間後の経過をみる必要があるため、結果判定まで2~3日かかりますが、これは患者さん自身に貼付したまま帰宅していただき、後日判定を行います。これらはあくまで目安の時間ですので、詳しい検査時間は事前に問い合わせておく、あるいは受診時にたずねておくと、計画が立てやすいでしょう。

オールオン4の検査にかかる費用の目安

検査費用はクリニックや検査内容によって幅がありますが、自費診療となる場合が多いです。したがって検査にかかる費用も原則自費です。

各検査ごとの大まかな費用目安は以下のとおりです。

検査費用の目安

歯科用CT検査8,000~30,000円程度

血液検査5,000~10,000円程度

アレルギー検査3,000~10,000円前後

レントゲン検査1,000~5,000円程度

インプラントに必要な検査費用は、多くが自費で1万円前後~数万円程度を想定しておくとよいでしょう。先天的な歯の欠損症、腫瘍や外傷による顎骨の大きな欠損など特殊な事情がある場合、保険が使えることもありますが、オールオン4など自由診療目的では原則自費です。

配信元: Medical DOC

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