
ゴールデンウィークなどの長期休暇に読みたい作品として話題を集めた、大家(@ksyjkysk)さんの「僕らの夏と灰」。子供だけで始めた夏のサバイバル生活を描きながら、オカルトにもミステリーにも受け取れる結末が読者の考察を呼び、「何度も読み返したくなる」「読み返すほどゾッとする」と反響を集めた。本作について、制作の裏側や込めた思いを聞いた。
■少年たちを襲う異様な出来事



舞台は小学6年生の夏休み。大人のいない場所でサバイバル生活を始めた少年たちは、冒険を楽しみながら、それぞれが抱える見栄や劣等感、大人になりたいという思いを胸に過ごしていく。
しかし、その最中に「灰入道」と呼ばれる不気味な存在と遭遇。恐怖の中で必死に立ち向かう少年たちだったが、ラストで明かされる真実は読者に大きな衝撃を与えた。
■解釈が分かれるラスト
作中で少年たちが化け物だと思い込んでいた存在は、遭難した彼らを捜索していた救助隊だったとも受け取れる。一方で、本当に妖怪に化かされていたとも解釈できる構成になっており、オカルトとミステリーの境界を曖昧にした結末が、本作の大きな魅力となっている。
■大人になれない結末に込めた思い
制作のきっかけについて大家さんは、「最初は夏のイベントに出す新刊ということで夏をテーマに漫画を描こうと思ったのがきっかけです。『学校の怪談』のようなオカルトと子供が登場する作品が好きなので、結果的に本作のようなストーリーになりました」と振り返る。
また、ラストについては、「そういう解釈もできますし、単に妖怪に化かされていたという解釈もできると思います。ミステリーともオカルトとも解釈できる作品になったと思います」と語った。
■忘れられない夏を描くために
「子供が大人になる過程を描いたストーリーはよくあるので、逆に大人にならなくても良いし、なれなくしてやろうと思ってあのようなラストに決めました」と明かす大家さん。「テーマらしいテーマはあまり考えたことがないのですが『克服できないコンプレックスと一生消えない心の傷』がテーマになるのかなと思います」と作品への思いを語る。
さらに、「妖怪をシンプルに怖く表現できるように、真っ暗な自然の中で異質感が出るよう心掛けてデザインしました」と制作時の工夫も紹介した。子供と大人の狭間で揺れる少年たちのひと夏の出来事は、読み終えたあとも長く心に残る作品となっている。
■取材協力:大家(@ksyjkysk)
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。製品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

