夫への心配が私にのしかかる
夕食時、義母から着信があった。
「もしもし、えりなちゃん?ハルキは今日はどう?大丈夫?お薬は飲めている?」
夫の母である義母が息子を心配するのはわかる、わかるんだけど……。
「今日は会社お休みしています。お薬はちゃんと飲んでいますよ」
答える私の声は、気づけば無機質になっていた。義母からの電話が終わると、今度は義父からLINE。
「ハルキはどうですか?あまり無理させないように」
「大丈夫?」「無理させないで」という、周囲の心配の言葉が、どんどん私の肩に重荷として積み重なっていく。
ハルキはクリニックに通っているし、彼の体調は私も含めた周囲がしっかり観察している。本心を言えば、彼を心配するのと同じくらい、毎日、仕事と家事と育児をこなしている私のことも、だれかに気にかけてほしい。
日によって体調に波があるから、週末の予定なんて立てられない。ハルキが「明日は動けるかも」と言っても、翌朝には「やっぱり無理だ」となるのが常。それは仕方ないことなのはわかるけど、このままではきっと、私はいつか壊れてしまう―――。
あとがき:善意の言葉がナイフになるとき
義母や義父からの「無理させないで」という言葉は、ハルキを気遣う優しさである一方、えりなから見れば「私がもっと頑張らなくてはいけない」というプレッシャーにしかなりません。
誰にも病状の全てを話せない環境で、家事育児すべてを静かにこなすえりなの特技は、彼女の孤独の深さを象徴しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

