睡眠時間が短くても健康上の問題がない体質の人を「ショートスリーパー」と言います。睡眠時間が短くても日中生き生きと活動することができるなら、“得”のようにも思いますが、本当にショートスリーパーは健康上の問題がないのでしょうか?そこで今回は、睡眠不足の人は健康にどのような害があるのかについて「ゆうココロのクリニック」の竹内先生に解説していただきました。

監修医師:
竹内 悠(ゆうココロのクリニック)
宮崎大学医学部医学科卒業。その後、国立国際医療研究センター国府台病院(現・国立健康危機管理研究機構 国立国府台医療センター)総合内科、精神科で経験を積む。2021年、千葉県船橋市に「ゆうココロのクリニック」を開院。日本精神神経学会専門医・指導医・認知症診療医、日本睡眠学会専門医、日本内科学会認定医。日本医師会認定産業医。
編集部
ショートスリーパーは、健康に悪影響を与えるのでしょうか?
竹内先生
ショートスリーパーの遺伝子を持つ天性のショートスリーパーであれば、健康被害はほとんどないと考えられます。ショートスリーパーの人は普段から睡眠の質が高く、脳や内臓に影響を及ぼさないからです。しかし、ショートスリーパーでない人がショートスリーパーを目指そうとしてわざと睡眠時間を短くするのはとても危険です。例えば、肥満や高血圧、糖尿病、心臓病などのリスクが高まります。
編集部
なぜ、睡眠不足がそうした疾患のリスクを高めるのですか?
竹内先生
睡眠不足が慢性化すると、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが悪くなります。そのため、血糖値が常に高い状態となり糖尿病を発症しやすくなるのです。また、睡眠不足と肥満の関係性も強く指摘されています。睡眠時間が短くなると、レプチンという食欲を抑制するホルモンの分泌量が減り、反対に、グレリンという食欲を増進させるホルモンが増加します。そのため、睡眠不足は肥満につながりやすいのです。
編集部
睡眠不足は肥満につながりやすいのですね。
竹内先生
それから、睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れ、心臓に負担がかかって心臓病を発症しやすくなります。そのほかにも、免疫力が低下したり、認知機能が低下して認知症を発症しやすくなったりなど、様々な悪影響があります。
編集部
本来ショートスリーパーでない人が、わざと睡眠時間を短くするのは危険なのですね。
竹内先生
睡眠不足はこれらの疾患リスクを増大させるだけでなく、集中力や意欲を低下させたり、ストレス耐性を低くしたりすることがわかっています。また、睡眠不足が続くとストレスホルモンの分泌が増加し、うつ病を引き起こしやすくなります。無理に睡眠時間を削るのは避けましょう。
※この記事はメディカルドックにて<ただの寝不足を“才能”と勘違いしていませんか? 医師が明かす「ショートスリーパーの真実」とは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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