
子どものころから漫画に親しみ、ユーモアあふれる作品を描いてきた宮野シンイチさん。実際の夜逃げ業者への取材をもとにした「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに苦しむ依頼者の実話を描き、多くの読者の支持を集めている。今回は、X(旧Twitter)で公開されている第37話、第38話を紹介するとともに、極限状態での搬送について著者に話を聞いた。



■夜逃げ目前で迫る危機!?
この日は娘・ホノカさんの障害年金が振り込まれる日だった。父は朝からATMへ向かうものの、思うように現金を引き出せず、ホノカさんへ電話をかける。その間に社長と宮野さんは夜逃げの準備を急ピッチで進めるが、部屋はマンションの3階。荷物の搬出だけでも時間との勝負だった。ホノカさんが電話で父を引き留める作戦だったが、途中で通話が切れてしまう。社長は嫌な胸騒ぎを覚える。
■階段を駆け下りた必死の脱出!
ようやく荷物を運び終え、外の様子をうかがうと、そこには父の姿があった。エレベーターを使えば鉢合わせになる可能性が高いと判断した3人は、急きょ階段で脱出することを決断する。
宮野さんはホノカさんを抱え、社長は車いすを持って階段を駆け下りる。無事に車の前へたどり着き安堵したのも束の間、父からの着信でホノカさんのスマートフォンが鳴り響く。その音に気付いた父が下をのぞき込み、ホノカさんの姿を発見。現場は一気に修羅場へと変わってしまう。
■想像以上に過酷だった搬送
実際にホノカさんを抱えて階段を下りた経験について、宮野さんは「人生で人を横抱きして移動したことが全くなかったので、やってみて初めてわかりました」と振り返る。「歩いているだけでも少しずつずり落ちてしまうんですよ。それが階段だともっと早くずり落ちてしまって、どんどん姿勢が悪くなり、腰にきちゃって大変でした」と、想像以上の過酷さを明かした。
父に見つかってしまった3人は、この絶体絶命の状況から無事に逃げ切ることができるのか。「夜逃げ屋日記」は第2巻も発売されており、夜逃げ屋の社長との対談も公開されるなど、作品の世界はさらに広がっている。
■取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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