わずか0.004%の短時間睡眠体質と勘違いしやすい「睡眠不足」のリスクを解説

わずか0.004%の短時間睡眠体質と勘違いしやすい「睡眠不足」のリスクを解説

睡眠時間が短くても健康上の問題がない体質の人を「ショートスリーパー」と言います。睡眠時間が短くても日中生き生きと活動することができるなら、“得”のようにも思いますが、本当にショートスリーパーは健康上の問題がないのでしょうか?そこで今回は、ショートスリーパーとはどのような人なのかについて「ゆうココロのクリニック」の竹内先生に解説していただきました。

竹内 悠

監修医師:
竹内 悠(ゆうココロのクリニック)

宮崎大学医学部医学科卒業。その後、国立国際医療研究センター国府台病院(現・国立健康危機管理研究機構 国立国府台医療センター)総合内科、精神科で経験を積む。2021年、千葉県船橋市に「ゆうココロのクリニック」を開院。日本精神神経学会専門医・指導医・認知症診療医、日本睡眠学会専門医、日本内科学会認定医。日本医師会認定産業医。

編集部

ショートスリーパーとは、どのような人を指すのでしょうか?

竹内先生

医学的には「6時間未満の睡眠でも十分に健康を維持できる、短時間睡眠体質の人」をショートスリーパーと呼んでいます。目覚まし時計を使わなくても毎朝、6時間程度の睡眠で目が覚めますし、休日でも睡眠時間は変わりません。本人の努力で睡眠時間を短くしているのではなく、自然とそうした生活ができて、日中に眠気を感じたり、昼寝をしたりすることがなくても、仕事や勉強のパフォーマンスが落ちない人をショートスリーパーと言います。

編集部

なぜ、睡眠時間が短くても日中に影響がないのですか?

竹内先生

ショートスリーパーの人たちの睡眠を調べると、レム睡眠が短く、ノンレム睡眠が長いことがわかっています。ノンレム睡眠とは深い眠りのことで、脳の休息や疲労回復を促したり、成長ホルモンを分泌したりする働きがあります。ショートスリーパーの人は、睡眠時間は短くてもぐっすりと眠っているので、日中の活動量が低下しないとされています。

編集部

どうしたらショートスリーパーになれるのですか?

竹内先生

「ショートスリーパーは遺伝的な要因が大きく、ショートスリーパーになろうと思ってなれるものではない」ということが研究で判明しています。つまり、生まれつきショートスリーパーかそうでないかが決まっているのです。

編集部

ショートスリーパーになれる確率はどれくらいなのでしょうか?

竹内先生

2019年にカリフォルニア大学の研究グループが発表した論文によると、ショートスリーパーの発生頻度は10万人に約4人ということがわかっています。わずか約0.004%しかいないのです。

編集部

かなり少ないのですね。

竹内先生

はい。その一方、日本には慢性的な睡眠不足に陥っている人が一定数、存在することもわかっています。疫学研究によると、日本人の女性4.3%、男性3.6%が、睡眠時間が5時間以下であるとされています。

編集部

真のショートスリーパーではなく、じつは「ただの睡眠不足だった」ということもあるのでしょうね。

竹内先生

本当はショートスリーパーではないのに「自分はショートスリーパーだ」と勝手に思い込んだり、「ショートスリーパーになりたい」と思って睡眠時間を短くしたりすることは大変危険です。健康に害をもたらすこともあります。

※この記事はメディカルドックにて<ただの寝不足を“才能”と勘違いしていませんか? 医師が明かす「ショートスリーパーの真実」とは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

配信元: Medical DOC

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