コミックエッセイ『しんどい母が、嫌いで好きで。』は、忍者ママさんのお母さんについて描いた作品。「毒親」の一言では語れない関係性を、明るいタッチでお届けする。
今回は、30歳にして夢を諦め故郷に帰って来たえっちゃん。社会人生活をスタートさせるが、当たり前のことがなかなかできず苦労する。そんななか一人の男性との出会いが、彼女の人生を大きく変える…。




■育児を経験したからこそわかる母の苦労。三姉妹への愛情だけで成立していた
実の母親に「邪魔」と言われ行く当てのないえっちゃんと、家族離散でひとりぼっちのみっちゃん。孤独な二人はすぐに意気投合し、あっという間に忍者ママさんを含む三姉妹が誕生した。なんの計画もなく結婚し家族が増えたため、当然お金はない。
家族を養うためにみっちゃんは単身出稼ぎに行くが、ある日を境に仕送りが途絶え、「好きな人ができた」と一方的に別れを告げられる。いつもはポジティブなえっちゃんだが、この時ばかりは流石に落ち込んだのだろうか?忍者ママさんに聞いてみた。
「漫画ではショックは受けたものの、あまり落ち込んだ風には描いていませんが、流石に落ち込んだと思います。みっちゃんとは『好きで結婚した』と後に言っていましたし、私が小学校を卒業するまで離婚していなかったのは『いつかみっちゃんが帰ってくるかも…』と思っていたからだそうです。やっぱりえっちゃんは可哀想だったと、改めて感じます」





みっちゃんとえっちゃんはその後、一度だけ再会を果たしたそう。
「姉が小学生の時に大病した際、一度だけ会ったそうです。また、みっちゃんは姉のお見舞いにも行ったようです。その後はおそらく会っていないのではないかと思います。私たち姉妹が中学生のころ、みっちゃんから『子供たちに会いたい』と電話があったと聞きました。その時母は、『今、中学生が学校からたくさん帰宅途中だから、その中から三姉妹を見つけられるのなら会えばいいじゃない』と言ったそうです。当然、見つけられるはずないですよね」
三人の子供をたった一人で育てると決めたえっちゃん。きっと当時は周囲の理解を得ることが今よりも難しく、計り知れない苦労があったことだろう。そんなえっちゃんのことを、自身も子育てを経験したうえでどう思うのか率直な気持ちを聞いてみた。
「本当に大変だったと思います。一番下の娘が1歳にもなっていないなか2歳と3歳の娘も抱え、働くこともできず仕送りもない…私ならもう、パニックです!覚悟を決めて働きだしたものの、昔は0歳児を預かってくれる保育園は少なかったそうです。そこで母は私と姉を保育園に預け、妹をおんぶして働きに行っていました。想像を絶する苦労ですよね。母は愛情の掛け方をいろいろと間違っている面もありましたが、それでもこの並々ならぬ苦労は私達三姉妹への愛情だけで成立していたのだと思います」




複雑な思いを抱きつつも嫌いになれないお母さんとの関係や、そんなお母さんの人生を赤裸々に描いた漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
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