結婚してすぐのころ、義実家へ遊びに行ったときの話です。夕食後、洗濯物をたたむお手伝いをしていたのですが……。
義母の部屋に飾られた写真
義母に「その洗濯物は私の部屋のタンスに入れておいて。私、回覧板を回してくるわ」と言われたので、義母の部屋に行きました。部屋には義母の趣味である羊毛フェルトを作るための机があるのですが、その机のうえに倒れてる写真立てがありました。
私は、倒れていると思ったので、直そうとその写真立てを起こして思わず悲鳴を上げてしまいました。なんと、その写真立てには私の父の写真が入っていたのです。しかも明らかに隠し撮りしたと思われる写真だったのです。
悲鳴を聞いて駆けつけた夫も写真を見て、あぜんとしていました。夫が帰ってきた義母に「これはなんだ?」と問い詰めたところ「違うの! これはその……お父様が俳優の◯◯さんにそっくりでかっこよくてつい……」と。義母がその俳優さんのファンであることは知っていましたし、確かに私の父は似ているとよく言われていますが、そうだとしても……。
写真は、以前食事会をした際にこっそりと撮影したとのことでした。そういえば、私もよく義母から父の趣味や好きな食べ物を聞かれていたなと思い返しました。特に気には留めていませんでしたが、もしかすると義母は父に好意があって……? なんとも言えない気持ちになりましたが、それ以上は考えるのをやめました。
義母は「恋愛感情はない」と言っていましたが、私の父をそういう目で見ていたと思わざるを得ない状況に、夫はドン引き。「ごめん。しばらく母さんの顔は見たくない」と言い、その日はそのまま帰ることになりました。
帰りの車のなかで夫は本当に申し訳ないと謝ってくれましたが、不倫関係にあったというわけでもなく、私たちが迷惑をかけられたというわけでもないので、夫と2人、うまく言い表せない感情のやり場に困りました。このことは私の父にも、もちろん義父にも言わず、私たちの心のなかにとどめておこうと夫と決めました。
あの出来事から数年がたちましたが、今も夫は、あのときのなんとも言えない気持ちを払拭しきれず、義実家へは年に一度、顔を見せに行く程度で、きちんと帰省できていません。悪気はなかったと思いますが、父の写真をこっそり撮って飾っていた義母の行動は、今思い返しても複雑な気持ちになります。どんな理由があっても、相手が不快に感じるような一線は越えてはいけないなと感じた出来事でした。
著者:渡辺悠/30代・女性・主婦。娘を育てる母。趣味はハンドメイドとお散歩。
イラスト:マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)

