最大の理由|辻クラシック(ニッポンの社長)

最大の理由|辻クラシック(ニッポンの社長)

ふと、15年前くらいに彼女に振られたことを思い出した。振られた理由は、

 

「他に好きな人ができた」。

 

男が女にフラれる理由として、かなり上位にランクインする理由だろう。

 

 

優しくはしていたが、なんせ絶望的にお金が無かった。吉本の給料は0円。大阪と京都でほんのり遠距離。次第に距離は離れていった。その矢先、彼女は新しい仕事を始め、その職場の男女グループで遊ぶようになり、その流れで好きな人ができた。

 

と、

 

そう思っていた。

 

最近思い出した。僕の絶望的なセンスの無さを。

 

そのセンスの無さは服装の話ではない。

 

当時、同じ服ばかり着ていたし、それもあるかもしれないが、もっと絶望的なことを思い出したのだ。

 

それは、プレゼントである。

 

確か、誕生日とクリスマスを1回ずつ過ごした。

 

そう、2回プレゼントを渡す機会があった。

 

そのうちの1つ目が、

 

なんと、ホラー映画のDVDである。

 

アホである。

 

どういう意味か分からない。

 

別に彼女はホラー映画が好きな訳ではない。映画が特別好きな訳でもない。

 

そんな人にホラー映画のDVD。

 

は?

 

確か、「怖いから一緒に見よう」と言って渡そうとしたが、受け取らずに返された記憶がある。むしろホラーは嫌いだったのかもしれない。普通はそうである。

 

普通の20代の女性はホラーは嫌いである。

 

それを20代の男性がプレゼントに選ぶ。

 

そう、こっちの方がむしろホラーである。

 

そして2つ目。

 

これが誕生日だったと思う。

 

これも酷い。ホラーDVDとはまた違うホラー味がある。

 

心の準備はできただろうか。

 

ここからは心臓の弱い方や、お年寄りはご遠慮いただきたい。

 

子供が本当に入れないタイプのお化け屋敷である。人が追いかけてくるタイプと思っていただきたい。

 

なんと、

 

ウクレレである。

 

は?

 

無論、彼女は特別に音楽が好きな訳でも、楽器をやってみたいと言ったことも一度もない。

 

そんな人にウクレレである。

 

は?

 

犯罪じゃないのか、このプレゼントは。

 

まだ法律が追いついていない犯罪なのではないか。

 

20代前半の彼女の誕生日にウクレレ。

 

金が無いとか関係ない。別にウクレレが安かった訳でもない。

 

問題はセンスである。

 

絶望、いや、もはや脱帽である。

 

センスの無さに脱帽。

 

はい、参りましたである。

 

後日、彼女の家に行くと、少し高いところに飾ってあった。

 

標準語の彼女は、

 

「オブジェじゃん」

 

と言っていた。

 

反省としては、自分があげたい物をあげてしまったことだろう。

 

相手が欲しい物を考えられていなかった。

 

相手のことを本当に想えていなかったのだと思う。

 

普段どんなに優しいフリをしていても、本質的な思いやりが無かったのだ。

 

皆さんも過去に別れを告げられた人のことを思い出してほしい。

 

自分に大きな理由があったのかもしれない。

 

それに蓋をしているだけかもしれない。

 

逃げてはいけない。

 

過ちを繰り返さないためにも、一度向き合ってみてほしい。

配信元: 幻冬舎plus

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