
イ・ドンウク演じる叔父チョン・ジンマンと、キム・ヘジュン演じる姪チョン・ジアンが、グローバルに暗躍する傭兵集団「バビロン」と死闘を繰り広げる韓国サバイバルアクションの第2シーズンとなる「殺し屋たちの店 2」が、7月22日よりディズニープラス スターで独占配信中。イ・グォン監督がメガホンをとり、「ニューヨーク・タイムズ」の「2024年ベスト・インターナショナル・ショー」にアジア作品で唯一選出された話題作の続編に新たに加わったのが、「バビロン」東アジア支部の傭兵・J役の岡田将生とチームリーダーであるQ役の玄理だ。
ジンマンたちの命を狙って暗躍する“悪役”として劇中で本格アクションも披露している2人に、韓国での撮影や過酷なアクションの裏話を聞いた。
■岡田「玄理さんに助けてもらって、自然と現場に入れました」
――今作に出演することになった経緯を教えてください。岡田さんは、初めての韓国作品出演ですよね。
岡田:僕自身ずっと新しい刺激が欲しくて、“今年こそは何か違うことをしたい”と思っていたときにこの話を頂いて、「挑戦したい!」と。また新しいキャリアを作っていけるなと思いましたし、すごく運命的なタイミングでした。
玄理:私はこの作品が2本目の韓国ドラマですが、1本目の「恋の通訳、できますか?」(2026年)の撮影をソウルでしているときに、お話を頂きました。日本語、韓国語、英語の3カ国語を喋れて高身長の女優さんを探しているということでしたし、私はアクションをやったことがなくて、いつか挑戦したいと思っていたので…。私もご縁を感じて「やりたい!」という感じで決まりました。

――撮影現場の雰囲気は? 日本の撮影現場との違いなど感じましたか?
玄理:韓国ではドラマ撮影は食事と休憩を含めて1日12時間まで、というのが決まっているんですけど、その中で一緒に朝ご飯を食べて、昼はケータリングを食べて、夜も撮影があるときはファンの方たちが差し入れしてくれるコーヒーカーでトッポッキとか食べて…って、家族よりもずっと長い時間一緒にいたので、俳優として本当に豊かな時間を過ごさせてもらったと思っています。
岡田:そうですね。日本の撮影現場では、みんな同じ場所でご飯を食べるっていうことはあまりないので。
玄理:日本だと控え室で各自ロケ弁を食べることが多いもんね。
――岡田さんにとっては初めての韓国での撮影でしたよね。
岡田:僕は韓国語が話せないので最初は戸惑いました。そこはもう玄理さんに助けてもらって、割と自然に現場に入ることができたので、そこから気持ちが楽になり、やりやすくなっていった感じです。同じ空間で皆さんとご飯を食べて、みんなでスタジオに歩いて戻って撮影が始まるっていうのも一体感が増すというか、すてきだなと思いました。あと、とにかくスタジオが広かった!
玄理:全部規模が大きかったですね。爆弾の風力もすごいし、閃光爆弾とかも目がつぶれそうな光で。
岡田:すべてが違いました。監督も本当にたくさん相談に乗ってくださって。僕たちにも「どう思う?」って必ず聞いてくれて、自分の意見を言うと、それもくんで監督が演出をつけてくれる。時間をかけながら焦らずに作っていく、その環境がぜいたくだなと思いました。

■玄理「“パンツが見えるバージョン”と“見えないバージョン”を撮って…」
――本格的なアクションは初挑戦だったということですが、トレーニングもかなりされたんですよね。
玄理:アクション練習は、朝10時から夕方5時までやりました。監督から「女性が男性と1対1で戦って勝つのはかなり難しいけど、それでも“うそ”はなるべく減らしたい。体を作ってほしい」と言われていたので、最終的には監督がモニターで顔のラインを見てストップがかかるまで、5kgぐらい筋肉メインで増やしました。撮影の後半はジムの上に部屋を借りて住んで。筋トレをしていないと痩せちゃうんで、人生で一番筋トレした時期だと思います。
――Qは、ボディコンやホテルの従業員ユニフォームを着てのアクションなど、タイトなスカート姿でアクションする場面が多いですが、衣装的な難しさはなかったですか?
玄理:そうですね、衣装はあまり気にしていなくて。逆に“パンツが見えるバージョン”と“見えないバージョン”を撮って、どっちがいいかっていうのをモニターで見て相談する、みたいなことはありました(笑)。黒いショートパンツとかレースのパンツとか、衣装さんがいろんなパンツを用意してくれて、「どれにする?ショートパンツは見えることを予想しているみたいでわざとらしいし、レースもなんかちょっと違うよね」っていう感じで。あとは私、バレエとかピラティスとかをやっていたので、アクションのときに重心が高くて。「重心を落とせ」っていうのをずっと言われましたね。キックボクシングやボクシングをちょっとやったことはあったんですけども、いわゆる“見せるアクション”というのは違いました。
岡田:傍から見ている僕ですら、玄理さんはアクションに取りつかれているって思ってました(笑)。僕もその当時は体重を結構増やしていて、筋トレもずっとしていたんですけど、日本での仕事の都合もあって行ける時間が限られてたので、何泊か泊まりで行って集中的に練習して帰って…というのを何回か繰り返しました。現場の撮影がオフの日もアクションチームの人たちと会って練習を重ねていたんですけど、やればやるほど自分の体になじんでくる感覚がありました。なじんでくるまで、帰らせてくれないんですよね(笑)。
玄理:(深くうなずき)本当に、本当に!
岡田:のめり込んでいました。初日のアクション練習では、僕は吐いてしまったんですよね。稽古が本当につらくて。
玄理:初日は“泣くか、吐くかだ”って言われるんですよ。岡田さんは、「トイレはここだから」と言われて始まったらしいです。

■岡田「右肘の関節が外れていて…『外れています』って」
――主演のイ・ドンウクさんとのアクションシーンもあったそうですが、共演していかがでしたか?
岡田:イ・ドンウクさんはすごく現場を引っ張る力を持っていて、一挙手一投足をまねしたくなるような方。人柄も素晴らしく、現場にいるだけで締まるんですよ。現場でもずっと役の“ジンマン”としていてくれて、ドンウクさんが「こういうふうにしたほうがいい」ってアドバイスをくれるんですけど、それだけでものすごく僕も体が動かしやすくなって。そこに(ベイル役の)チョ・ハンソンさんもいて、皆さんがアドバイスしてくれるのを吸収しながら現場で日々やれたのは、すごくぜいたくな時間でした。韓国はアクションの練習をされている俳優さんがとても多いと聞いたので、自分もこの経験を次に生かしたいなと思いながら、現場にいさせてもらっていました。

――作品に入る前は、岡田さんも日常的にトレーニングをされていたんですか?
岡田:いえいえ、全然していなかったんです。韓国の俳優さんたちのレベルが高くて、ドンウクさんもそうですけど、皆さん本当に華麗で、力を抜いた状態でもきれいに見せてアクションしていく。僕はまだそこまで及ばない、「極めないと!」というふうに思っていました。でもなんか一瞬「あれ? つかんだ?」というときもあって、それを毎回アクションチームの人たちが携帯で撮ってくれているんです。それをチェックしながら皆さんと話しながらできたのが、すごく楽しかったです。でも、気付かないうちに右肘の関節が外れていて…。帰って「外れています」って言われて、だから動かなかったんだと。
玄理:えー!それは知らなかった。顔を隠した状態でのアクション(ヘルメットをかぶったままエレベーターの中でターゲットを襲撃するシーン)も全部、自分でやったんだよね。
岡田:やりました。あれ、本当は僕がやる予定ではなかったんですよ。でも「やれるだろ?」と言われて、じゃあちょっと練習しようって。
玄理:私が聞いたのは、「本人の熱烈な希望により本人がやってる」って(笑)。岡田くんもこっちに来たか!と思って。
岡田:できるのであれば全部やりたい、とは言ってましたが、時間が限られていたので。でもその限られた時間でできそうだったらやろう、ということでやらせていただけたのは、本当にありがたかったですね。

■韓国でおいしかったご飯はカムジャタン「あれは感動しました」
――撮影期間中、韓国での生活でどんなことが印象に残っていますか?
岡田:宿所の近くのコインランドリーまで歩いて行って、終わるまでコーヒーを飲んで待っているのが至福の時間でした。あとは、おいしいものを食べによく出掛けていました。皆さんにごちそうになったり、韓牛を食べさせてもらったり。辛いものが得意じゃなかったので、食事だけが大変で、大体サムギョプサルを食べていたんですけど、最後のほうは辛いものも少し食べられるようになって、生活的にも充実していました。
玄理:確かに!食べられるようになってた。
岡田:キムチにハマってキムチばっかり食べて。あと、カムジャタン!あれは感動しました。こんなにうまいんだ!って。感動して、日本に帰ってからも食べています。
玄理:チームメイトでもよくご飯に行ったりして。みんな体を鍛えてる人たちなので、タンパク質をとろうっていうので鴨肉とか食べに行って。ただ、みんなお酒飲めないんですよ。
岡田:確かにそうでしたね。
玄理:筋トレしているし、飲まない。だから2次会はいわゆる“映える”カフェに行って、チームのみんな、190cmぐらいの大男たちとかわいいケーキを食べたりしてましたね。
――玄理さんは今作が2作目の韓国ドラマで、他にも世界の注目を集める作品に出演されています。「殺し屋たちの店」もシーズン1が世界で話題になりましたが、世界的に話題の作品に出演されて反響を感じることはありましたか?
玄理:空港で声をかけてもらうことが増えました。あと、私はInstagramをやっているんですけど、例えば「今際の国のアリス」(2025年のシーズン3に出演)のときはブラジルのフォロワーさんがすごく増えたり、「恋の通訳、できますか?」だと東南アジアのフォロワーさんが増えたりとかして、今回はどうなんだろうと今から楽しみにしてるところです。Instagramって、どの国の方がフォローしてくれるか見られるんですよ。世界配信の作品はそれが面白い。
――韓国の作品だから韓国からのフォローが増えるとは限らないんですね。
玄理:そうなんですよ。作っている国とは限らないということで、今回も楽しみにしています。
◆取材・文=酒寄美智子
◆衣装協力=Tiffany
ピアス:1,452,000円
リング:〈 右手・薬指〉上 511,500円、下 495,000円
ブレスレット:2,530,000円
(すべてティファニー/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク) ほか

