妹にとっての家族とは…
数分後、まなから返信が来た。
「え?それって私にはお金渡さないってこと?100万は返したでしょ?」
「返したからって信頼できるようにはならないよ。あなたは謝罪したり、自分で職を決めて努力したりもしてない。本気で頑張っているなら応援できるけど、あなたの行動は信頼に値しないと思う」
私は自分の決断を伝えた。
「ねえ、まな。父さんには内緒で私から10万円を渡すよ。返さなくていい。でも、それを最後にあなたとは縁を切りたいと思ってる」
これは、実質的な絶縁宣言。でも、まながそんな話を受け入れるわけがない。
「たった10万で私を追い出すの?お姉ちゃんが家を出てからずっと、病気のお母さんと頑固な父親と我慢して生活してたのに!」
妹はとことん自分勝手だ。実家にいたからといって家にお金を入れていたわけでも、家事をしていたわけでもない。一体何を我慢していたというのだろう。私にはわからなかった。
この電話で、もう妹と良好な関係に戻ることはできないのだと改めて認識した。
あとがき:ATMとしての家族
「謝ったら負け」の価値観に凝り固まったまなに対し、ほのかは「私が尻拭いをすることで、妹のわがままを助長しているのでは」という疑念を抱きます。この無心LINEは、まなにとって家族とは「お金と住処を提供してくれるATM」でしかない、という残酷な現実をほのかに突きつけました。長年の調整役としての役割、姉としての愛情、そして自己犠牲。これらが報われないと悟ったほのかは、初めて自分の幸せと精神衛生を優先し、妹との関わりを断つという「最も難しい決断」を下します。家族の絆を断ち切る行為が、彼女にとっての「自立」の第一歩となった瞬間です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

