
井内悠陽と阿久根温世(ICEx)がダブル主演を務めるFODオリジナルドラマ「コントラスト」(毎週火曜夜0:45-1:15、フジテレビ/FODにて全話配信中)。対照的な青年二人が引かれ合う姿と恋する気持ちを丁寧に紡いだ青春ラブストーリーとなっている。本記事では陽(あきら/阿久根)が翔太(かなた/井内)に神田(井上想良)との関係と胸のうちを明かす様子が描かれた第5話の見どころを紹介する。陽のやるせない思いと翔太の絶望感のどちらもが痛いほど伝わってきて、胸が締めつけられた。(以下、作品のネタバレを含みます)
■人気者と秀才…itzのBLコミックを実写化
本作は繊細なイラストとこまやかな心情描写に定評があるitz氏原作の同名BLコミックを実写ドラマ化した青春ラブストーリー。学年イチの人気者である翔太は学年成績トップクラスの秀才である陽と、なぜかすれ違うたびに目が合うことで気になっていた。ある昼休みに階段の踊り場で翔太は陽に遭遇し、交流するようになる。翔太は隠していた心の内を陽に打ち明け、距離を縮めていくが…。
■阿久根温世“陽”が明かした秘密と、井内悠陽“翔太”の絶望
第5話は冒頭、翔太の誘いを断った陽が神田と歩いていたところ、翔太と出くわしてしまうシーンから始まる。神田は動揺する陽を見て、この関係を終わりにしようかと告げ、陽は翔太には全部話すと答える。
この後、陽が翔太に真実を話すシーンに注目して欲しい。友人たちと勉強合宿に来た彼らは、皆が寝静まった後、夜に2人きりになる。翔太は「この間の人といつも2人で会ってんの?」と神田のことを尋ね、陽は「うん」とだけ答える。サラリーマンのように見える神田と何をして遊んでいるのかと翔太が質問しても、答えない陽。
■「なんで俺とキスしたの?」
「ごめん、答えづらいなら答えなくていいから。そりゃ人に言いたくないことぐらいあるよね」と翔太は無理して作り笑いをし、陽は翔太のほうに体を向けて「翔太、聞いて」と言う。恐れつつも覚悟を決めたかのような陽の表情を見ると、こちらの胸も苦しくなる。
しかし、翔太は「ううん、いい」と拒んだ。重い沈黙のあと、翔太が逃げるように立ち去ろうとすると陽が引き止め、翔太は「いいってば!」と声を荒げる。陽は神妙な面持ちで「俺、その、中学のときにいろいろあって、いろいろ相談乗ってもらったりして…、そういう関係になって」と説明すると、翔太は冷たい笑みを浮かべながら「そういう関係って何?」と聞き返す。
陽が黙ったままでいると「前に言ってたキスした人ってその人なの?」と翔太が聞く。陽は視線を外して再び答えられず、翔太は「なんで俺とキスしたの?」と質問を重ねる。静かなトーンだが、翔太の絶望感やわだかまりがヒシヒシと伝わってくる。
■「俺が、翔太を好きになったから」
陽は「俺、翔太が思っているような人間じゃないんだ。翔太みたいに強くないし、綺麗じゃない」と言って涙を流す。「陽、あの人のことが好きなの?」と翔太が尋ねると、陽は椅子に戻りながら「恋愛感情はないよ。あの人はずっと好きな人がいるから」と答える。
翔太が「だったらなんで…」と口をはさむが、陽は遮るように「お互いそうやってバランスを取ってきたんだよ。…でも、それももうおしまい」と語りかける。翔太はこぼれる涙を慌てて手で拭い、陽もあふれる涙を堪えきれない。
陽が「俺が、翔太を好きになったから」と翔太の目を見つめて告げ、「だから…ごめん」と言って苦しげな表情を浮かべると、部屋を出ていくのだった。
本来なら幸せなはずの告白なのに、謝罪の言葉が添えられ、陽が抱える葛藤がより際立つ。報われることを期待していない諦観も感じられ、やるせなさに思わず胸が締めつけられた。
◆構成・文=牧島史佳

