「被殻出血」の“治療費”はどうなる?活用すべき「3つの“助成制度”」【医療監修】

「被殻出血」の“治療費”はどうなる?活用すべき「3つの“助成制度”」【医療監修】

治療費の負担を抑えるには、「限度額適用認定証」の事前取得や世帯合算といった制度を上手に活用することが役立ちます。また、後遺症が残った場合には身体障害者手帳や障害年金の申請も検討できます。知っておくと心強い支援制度と手続きの流れをご紹介します。

伊藤 たえ

監修医師:
伊藤 たえ(医師)

浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

治療費を抑えるために知っておきたい制度と手続き

医療費の負担を少しでも軽減するためには、利用できる制度をあらかじめ把握しておくことが重要です。このセクションでは、高額療養費制度以外に活用できる支援制度と、手続きの流れについて説明します。

限度額適用認定証と事前申請の活用

高額療養費制度を後から申請して払い戻しを受ける方法のほかに、「限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)」を事前に取得することで、窓口での支払い時点から自己負担限度額までに抑える方法があります。入院が決まった段階で、加入している健康保険組合や協会けんぽ、あるいは市区町村の国民健康保険窓口に申請することで発行されます。

入院前に取得が間に合わなかった場合でも、退院後に高額療養費の申請を行うことで、限度額を超えた分が払い戻されます。ただし申請には期限(診療を受けた月の翌月1日から2年以内)があるため、早めに手続きを行うことが大切です。入院中は医療事務担当者や医療ソーシャルワーカーに相談することで、必要な書類の準備をサポートしてもらうことができます。

さらに、世帯内で同月に複数人が医療費を支払っている場合や、同じ方が複数の医療機関を受診している場合には、「世帯合算(せたいがっさん)」という仕組みで自己負担額をまとめて計算できる制度もあります。複雑な計算が必要なため、不明な点は窓口で丁寧に確認することをおすすめします。

障害者手帳・障害年金と社会的支援の活用

被殻出血の後遺症が残り、日常生活や就労に支障をきたす場合には、「身体障害者手帳(しんたいしょうがいしゃてちょう)」の取得が検討されます。手帳の等級に応じて、医療費の助成や公共交通機関の割引、税制上の優遇措置などを受けられる場合があります。申請は居住する市区町村の障害福祉担当窓口で行うことができ、医師による診断書が必要です。

また、一定の障害状態が認められる場合には「障害年金(しょうがいねんきん)」の受給も検討できます。障害年金は20歳以上で公的年金に加入している方が対象であり、障害の程度(障害等級1〜2級)によって支給額が変わります。受給には病院での初診日の確認や申請書類の準備が必要なため、年金事務所や社会保険労務士への相談が助けになります。

社会的な支援には、在宅での生活を支援するヘルパーの派遣や、デイサービス(通所介護)、福祉用具のレンタルなど、介護保険を通じたサービスも含まれます。これらを上手に組み合わせることで、患者さんご本人と家族の生活の質を維持しながら、医療費・介護費の負担を軽減することが期待できます。

まとめ

被殻出血は、高血圧をはじめとする生活習慣病が深く関わる脳出血の一種であり、突然の片麻痺や言語障害、意識の変化などが主な症状です。早期に適切な治療を受けることが症状の悪化を防ぐうえで重要であり、治療後はリハビリを継続することで機能の回復が期待できる場合があります。治療費については高額療養費制度や障害者手帳、介護保険などの公的支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。手足の麻痺やろれつの異常、意識の変化といった症状が突然現れた場合は、すぐに救急車を要請することをおすすめします。定期的な血圧測定と生活習慣の見直しを続け、気になる症状や予防について相談したい場合は、「脳神経外科」や「脳神経内科」などの専門医療機関を受診することをご検討ください。

参考文献

厚生労働省 e-ヘルスネット「脳血管障害・脳卒中」

厚生労働省 e-ヘルスネット「脳卒中(脳血管疾患)」
国立循環器病研究センター「脳出血」

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。