2歳の娘を育てながら専業主婦として暮らす凪(なぎさ)。仕事熱心な夫・圭太(けいた)は、家事や育児にも協力的で、2人は周囲から見れば理想的な夫婦でした。しかし、穏やかに見える夫婦の日常の裏で、圭太は凪の知らない秘密を抱えるようになっていたのです……。
つきまとい被害に遭っていた女性・ゆうきを助けたことをきっかけに、圭太は凪に隠れて彼女と連絡を取り合うように。既婚であることは伏せたまま、やり取りのたびに心を弾ませる日々。一方の凪は、家事や育児を任せきれない夜や、なぜかスマホを見つめて笑う圭太の姿に、これまでにない距離を感じ始めます。
ゆうきと2人で飲んで帰宅後、ゆうきから「私は今からでも会いたいです」と連絡を受けた圭太は、凪に財布を取りに行くと嘘をつき、深夜にも関わらず家を出ます。自分でも驚くほど自然に嘘を重ねながら、圭太は「俺も会いたい」とゆうきのもとへ車を走らせました。
2人は、会えた喜びをにじませながら強く抱き合い、ゆうきの自宅へ。そのまま一線を越えてしまいます。
その裏側で、家に残された凪は帰りの遅い圭太を案じ、何度も電話をかけ続けます。けれど電話はつながらず、長時間家を空けることも連絡がつかないことも初めての事態に、「圭太は何かを隠している」という疑いが確信へと近づいていきました。
帰宅後も夫への違和感を募らせる凪と、ゆうきへの想いを断ち切れない圭太。すれ違ったまま迎えた夜、圭太のスマホにメッセージの着信が。ゆうきを期待して笑顔になる圭太に、凪は背後から「誰から?」と鋭い目線で問いかけました。圭太の反応は――。
スマホを手放さない夫に、「誰から?」と問い詰めた結果

















ゆうきとの一夜を過ごした圭太。ゆうきの家を出たのは、深夜4時半ごろでした。凪からの着信は1時間おきに残されており、その画面を見つめながら圭太は「俺は……何をやってるんだ……」とため息をこぼします。かけ直した電話で凪に心配をかけたことを詫びると、交番からの帰りに眠くなり、駐車場で仮眠をとっていたと説明しました。
「駐車場で仮眠?そんなこと今までしたこともなかったわよね」と、凪の夫への違和感は静かに大きくなっていきます。
帰宅した圭太は家事をしていなかったことを謝りますが、凪は「次からちゃんとしてよ」と短く返すのみ。皿を洗いながら「なんでこんなに不安になるんだろう」と、自分でも説明のつかない胸騒ぎに戸惑っていたのです。マイホームのチラシを手に、「ちゃんと私と一緒にこれからのことを考えてくれてるよね?」という思いも、確かめられないまま宙に浮いていきます。
一方の圭太は、ゆうきへの想いを断ち切れずにいました。ベッドに横たわり「やっぱり会いたいな……」とスマホを手に取ったそのとき、届いたメッセージに顔をほころばせます。しかし、そこへ「誰から?」と凪の声が。
とっさに「なんでもないよ」とごまかす圭太でしたが、心臓は激しく高鳴っていました。「……誰?」と重ねて問う凪の表情はこわばり、穏やかだったはずの夫婦のあいだに、これまでとは違う緊張が走り始めるのでした。
◇ ◇ ◇
信頼を裏切る行動は、その場を取り繕うための嘘を重ねるほど、相手との関係を深く傷つけてしまうのでしょう。隠し事をしている側が平静を装っても、言葉や態度のわずかな変化は、身近な相手に伝わるものなのかもしれません。そして、目の前の誘惑を優先すれば、守るべき相手に不安を背負わせることに。
行動に移す前に、自分が負う責任と、その選択によって傷つく人の存在に目を向ける大切さを、改めて考えさせられますね。
著者:マンガ家・イラストレーター おーちゃん

