
春野あめ(@AmeHaruno)さんの著書『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』は、当事者である春野さん自身の体験談をもとに、発達障害のトラブルや思考回路を紐解いた一冊だ。本書の監修は臨床心理士の中島美鈴さんが務めている。
■トラブルの背景にある当事者の思考回路



case.01では、先輩から「適当にほかのことやってて」と言われ、具体的に何をすべきかわからずYouTubeを見てあきれられてしまう事例が描かれる。アバウトな表現から話の意図を汲み取れないことがトラブルにつながっている。
また、case.04では「はかりの上に物を置かないで!」と注意された際、相手の注意喚起を「攻撃された」と捉えて泣いてしまう。過去の体験の蓄積から、ちょっとした言葉を攻撃と感じてしまうのだ。
春野さんは発達障害の診断を受けてから特性を理解するまでに8年を要した。前作の担当編集者から「当事者の思考回路を知り、納得できれば周りとの関係も変わるのでは」と提案されたことが、本書を描くきっかけとなった。自分をさらけ出すことには勇気が必要だったが、発達障害を広く知ってもらいたいという思いで執筆を決意した。
■自己理解を深めることが生きづらさを和らげる
本書は自身の体験談や思考回路だけでなく、改善策や工夫、支援窓口についても網羅している。制作にあたっては専門書や論文を読み込んでまとめる作業に大きな労力を費やしたという。要所で中島先生のコラムも収録されており、多角的に学べる構成となっている。
春野さんは、生きづらさを感じている人に対し「悩んだらすぐに心療内科を受診し、検査を受けてみてほしい」と語る。診断の有無に関わらず、自身の特性やトラウマ、育ってきた環境をひとつずつ知っていくことが重要だからだ。
本書は、人との距離感や融通のきかなさなど、ASDやADHDの特性に分かれた13のケースを収録している。当事者や周囲の人々にとって、解決の糸口や癒やしとなるような一冊である。
取材協力:春野あめ(@AmeHaruno)
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。製品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格が異なる場合があります。

