「鼻水をかむとき」は注意?やめるべき“あの習慣”と「3つのNG行動」【医師監修】

「鼻水をかむとき」は注意?やめるべき“あの習慣”と「3つのNG行動」【医師監修】

鼻をかむ際に、無意識に行ってしまいがちな誤った方法があります。両方の鼻を同時に強くかむ、風邪のときに力いっぱいかむといった行為は、耳や鼻への負担を大きく増やします。どのような行為が特にリスクが高いのかを具体的に取り上げながら、日常で気をつけたいポイントをご紹介します。

大津 和弥

監修医師:
大津 和弥(医師)

三重大学医学部卒業。三重大学附属病院で研修。市立四日市病院、三重大学附属病院などに勤務後、国立がんセンター東病院研修。三重大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師を務め、小松病院で一色信彦、田邊正博の音声外科医師の指導の下音声外科手術を研鑽。市立ひらかた病院耳鼻咽喉科部長、市立ひらかた病院耳鼻咽喉科主任部長、音声外科センター長などを歴任。大阪医科薬科大学臨床教授。現在は大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 院長。

鼻のかみ方として特に注意したい・避けるべき行為

鼻をかむ際には、無意識のうちにやってしまいがちな間違った方法があります。こうした行為は耳や鼻への負担を大きく増やし、さまざまなトラブルの原因となります。このセクションでは、特に注意が必要な「やってはいけない鼻のかみ方」について具体的に説明します。

両側同時に強くかむのが危険な理由

鼻をかむとき、両方の鼻をまとめて力いっぱいかむ方は少なくありません。しかし、この方法は耳への負担という観点からも、鼻腔への負担という観点からも避けるべき行為の一つです。
両側の鼻を同時に強くかむと、鼻腔内にかかる圧力が逃げ場をなくし、耳管を通じて中耳へ一気に伝わりやすくなります。この圧力が中耳内で急上昇することで、鼓膜に対して強い力がかかり、穿孔(穴があくこと)のリスクが高まります。また、副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)への圧力が高まることで、副鼻腔炎を悪化させる可能性も否定できません。
正しいかみ方は、片方の鼻を指でふさいでもう片方をやさしくかみ、左右交互に行う方法です。この方法であれば、圧力が片側に集中せず、耳管への負担を軽減できます。また、1回に強くかもうとするのではなく、数回に分けてゆっくりかむことも大切です。

風邪や鼻炎の最中に特に注意すべき行為

風邪や鼻炎のときは、鼻腔内に大量の分泌物がたまり、どうしても強くかみたくなる状況が続きます。しかし、こうした状態のときこそ、強くかむ行為が最もリスクの高い場面といえます。
鼻腔内の分泌物には、細菌やウイルスが多く含まれています。強くかむことでこれらが耳管へ押し込まれると、中耳炎の直接の引き金になります。また、強くかむことで鼻腔の粘膜が傷つき、出血や炎症の悪化を招くこともあります。
さらに、ティッシュを直接鼻の穴に詰め込んで長時間放置する行為も推奨できません。詰めたティッシュが粘膜を刺激し、出血や炎症の原因になることがあります。鼻血が出た場合は、小鼻(鼻の穴の外側のふくらんだ、やわらかい部分)を両側から指でしっかりとつまみ、10分程度押さえ、 上を向かずにやや前傾みの姿勢を保つことが基本的な対処法とされています。
鼻をすするという行為も注意が必要です。すすることで鼻腔内の分泌物が喉の奥へと引き込まれ、細菌が耳管に入り込むリスクが高まります。外出先などでかめない状況であっても、できる限りかむ機会をつくり、すする習慣をつけないことが大切です。

まとめ

鼻を強くかむという何気ない行為が、鼓膜の破裂や中耳炎といった深刻な耳のトラブルにつながる可能性があることをご理解いただけたでしょうか。正しいかみ方を身につけることは、耳と鼻の健康を守るための大切な一歩です。風邪や鼻炎の症状が長引いている場合や、耳のつまり感・聞こえにくさを感じている場合は、ぜひ耳鼻咽喉科への受診をご検討ください。日常の小さな習慣の積み重ねが、耳と鼻の健康を長く守ることにつながります。

参考文献

慶應義塾大学病院 聴覚センター「中耳炎」 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気」
配信元: Medical DOC

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