介護をしていると、「どうしてこんなことが起こるの?」と戸惑う場面に出合うことも。昨日まで普通にできていたことが急にできなくなったり、思いも寄らない行動に驚かされたり――。そんな日常の中で、介護者が悩んだり、思わず苦笑いしてしまったりする瞬間は少なくありません。そんな介護の現場で実際に多く聞かれる「あるある」なお悩みを、4コママンガ形式で紹介します。
お迎えの時間なのに…




義母はデイサービスの日になると、毎回のように「今日は行きたくない」と言います。朝から迎えの時間を気にしながら、家族はバッグや上着を準備するのですが、当の義母は布団をかぶったまま動こうとしません。
「お友だちも待ってますよ」「今日はお風呂の日ですよ」と何とか声をかけ、ようやく迎えの車に乗ってくれたと思ったら、義母は笑顔でひと言。
「今日は楽しみね」
さっきまで行かないと言っていたのに……。その切り替わりの早さに、家族は思わず力が抜けてしまいます。
【医師からのアドバイス】高齢者がデイサービスに行きたがらない背景には、単なる気分だけでなく、慣れない場所への不安、外出準備の負担、体調の変化、認知機能の低下などが関係している場合があります。本人にとっては「行きたくない」という気持ちがその時点では本当であっても、送迎車に乗ったり職員や利用者と顔を合わせたりすると、気分が切り替わることもあります。 このようなときに「さっきは行かないって言ったでしょ」と責めると、本人が不安になったり、かえって拒否感が強くなったりすることがあります。「お友だちが待っているよ」「今日はお風呂の日だよ」など、本人にとって前向きに感じやすい理由を伝えながら、短く穏やかに声をかけることが大切です。朝の準備を急がせすぎず、バッグや着替えを前日から用意しておく、出発までの流れを毎回同じにするなど、安心しやすい環境を整えるのもよいでしょう。 一方で、拒否が急に強くなった、以前より怒りっぽい、眠気やだるさが目立つ、痛みや発熱、食欲低下があるといった場合は、体調不良が隠れていることもあります。デイサービス側やケアマネジャーと状況を共有し、必要に応じてかかりつけ医や地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターは、保健医療・介護に関する相談や、認知症に関係する支援機関との連携も担っています。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしている。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部、AI生成画像を使用しています。
著者/シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

