
比嘉愛未が主演を務めるドラマ「ファーストクライ 母子救命救急班」(毎週水曜夜10:00-10:54、日本テレビ系/Huluにて配信)の第4話が、7月29日に放送された。今回テーマとなったのは、出産の現場の“奇跡”。厳しい現実に対し、産婦人科医の光井(比嘉)と新生児科医の富永(濱正悟)が対立した。(以下、ネタバレを含みます)
■行き場を失ったワケあり妊婦たちを救う産婦人科医たちの奮闘を描く
本作は、日本屈指のセレブ病院で秘密裏に結成された、新たな命を守り抜く母子救命救急班の奮闘を描くメディカル・エンターテインメント。
主演の比嘉が演じるのは、チームの要となる卓越したスキルを持つ産婦人科医・光井明希。片耳に難聴を抱えながらも、誰よりも赤ちゃんの産声を聞くことに執着する、たたき上げのスペシャリストだ。院長の特命により、行き場を失ったワケあり妊婦たちを無償で救っていく。
ほか、光井に強引に誘われて母子救命救急班に参加する産婦人科専攻医の永坂海斗役を松島聡(timelesz)、特定妊婦を支援するNPO法人「HOME うぶごえ」の代表で、光井の親友・羽鳥美咲役を徳永えり、光井が勤める聖フィオナ病院のコンシェルジュ・成宮忍役を前田敦子、ベテラン助産師の倉田千広役を山村紅葉、フリーランスの麻酔科医・藤堂直樹役を岡部たかし、新生児科医・富永航役を濱正悟、聖フィオナ病院院長・神谷玲子役を真矢ミキが演じる。
■身寄りのない妊婦の胎児に先天性の病気が見つかる
母子救命救急班に、お金も身寄りもない専門学生の妊婦・三浦恭子(大原優乃)とパートナーの佐山真(浦上晟周)がやって来た。2人は5年前の列車脱線事故で家族を亡くした者同士で、遺族の集まりで顔を合わせるうちに交際に発展した。
まだ結婚前で妊娠も予定外ではあったものの、生まれてくる命と一緒に生きていきたいと願う2人。しかし、検査の結果、胎児が「先天性上気道閉塞症候群」だと判明した。喉や気管がふさがっているため、産まれても自力で呼吸することができない可能性が高い。
2人に希望を見せてあげたい光井をよそに、冷徹なリアリストの富永は「オブラートに包んでも現実は変わらない」と断言し、残酷な現実を突きつけてしまう。
光井は超高難度な術式であるEXITで分娩させることを提案するが、富永も藤堂も、さらには倉田も反対する。その術式は母体のリスクも高いのだ。
■多産DVにあっていたセレブ妊婦は中絶へ
一方、同時期にセレブ妊婦の藤田紗弥香(野村麻純)は5人目の出産に臨もうとしていた。立て続けの妊娠であることが気がかりだった中、検査により「切迫子宮破裂」の疑いが浮上。短期間で帝王切開を繰り返したため、通常よりも子宮の壁が薄く、弱くなっていて、母子ともにリスクが高いのだ。
紗弥香の夫は、妻の身体のことを真剣に考えない、いわゆる「多産DV」だった。成宮がそれに気づき、それまでのことが暴力だと分からなかった紗弥香は離婚を決意。すると沙耶香の夫がプライバシーの侵害だとして病院を訴えると言ってきた。夫への対応は神谷が自らおこなうことに。
また、紗弥香は夫婦の問題は子どもには関係ないとして、できれば生みたいと望んだが、富永は「あきらめてもらうしかありません」と冷たく言い放った。
■「出産の現場では奇跡は起こらない」そこに込められた富永の思い
リスクを伴いながらも「生まれてきてくれてありがとう」と抱きしめてあげたいと決めた恭子。「出産の現場では奇跡は起こらない」と口にする富永だったが、続けて「ただ、赤ちゃんの生きようとする力にはいつも驚かされます。奇跡に近いことは起こります。私も全力で対応にあたります」と告げた。
一方、妊娠中期でかなり高いリスクを伴った中絶手術をした紗弥香は、最後に生まれた子を抱きしめたいと決意。それは、富永の「中絶した赤ちゃんを見ると一生記憶に残るでしょう。ただもし目を背ければ一生想像してしまうことになるかもしれない。どうするべきか、お母さんが覚悟をもって決めてください」と言われたからだった。
冷たく思えた富永に垣間見える優しさ。光井は神谷に娘婿でもある富永のことを聞いた。かつて周産期医療の最後のとりでとされる総合周産期母子医療センターにいた富永は、事情を抱えて生まれた我が子を受け止めきれない母親から「助けてくれなくてよかった」と言われることがたびたびあったという。「誤解されがちだけど、富永先生はただ自分の役割に徹しようとしているだけなんです」。
強い思いを抱いていないと、事情を抱えた赤ちゃんとは向き合えない。だから富永は現実を突きつけていたのだった。
永坂は富永を“北風”、光井を“太陽”と例えた。童話では太陽の勝ちとなるが、タッグを組めば心強いものとなる。
今回はタイトルになっているファーストクライ=産声を、画面を通して聞けなかった。恭子の赤ちゃんはやはり数時間の命だった。それでも神谷が言っていたように、光井や富永たちのチームでなければ、“唯”と名付けた赤ちゃんと出会うことも、その手に抱くこともできなかったから、それも“奇跡”の一つなのだ。
視聴者からは「すごくリアルだった」「つらい回だった」「お母さんになれるって本当に奇跡」「何をもって奇跡と呼ぶのか、考えさせられます」「現実を受け止め進んでいく2人に次はきっと幸せが届きますように」といった声があがった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

