放射線治療についてよくある質問
ここまで放射線治療の副作用や後遺症について紹介しました。ここでは「放射線治療」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
放射線治療の副作用や後遺症は全員に発生する?
木村 香菜(医師)
放射線治療の副作用や後遺症は個人差が大きく、全員に発生するわけではありません。
照射部位、線量、体質などが影響します。また、動脈硬化症、糖尿病、膠原病、腎機能不全などの合併症によっても異なります。主治医と相談しながら、リスクを理解し予防策を講じることが大切です。
放射線治療を受けたことで家族や周りの人に影響はある?
木村 香菜(医師)
放射線治療は外部照射が一般的であり、治療後に患者さん本人から放射線が出ることはありません。そのため、家族や周囲の方に放射線の影響を与える心配はありません。
ただし、分化型の甲状腺がんに対する放射性ヨウ素内用療法などの体内照射(内部被ばく)の場合は、一時的な隔離や入院、接触制限が必要な場合があります。
まとめ

今回の記事では、放射線治療による急性期障害や晩期障害を解説しました。晩期障害のなかには、一度症状が現れると治癒が難しく、後遺症として残ってしまうものもあります。
しかし、治療の際には正常な組織に不要な放射線が照射されないような治療計画が立てられ、有害事象を最小限にするように配慮されています。
もしも不安がある場合には、事前に、あるいは治療中に放射線治療医や主治医に質問するようにしましょう。

