「“あんぱん”は不評も…」朝ドラ『ばけばけ』主題歌が好評のワケ。前作との“違い”ともう一つの“大きな要因”とは

「“あんぱん”は不評も…」朝ドラ『ばけばけ』主題歌が好評のワケ。前作との“違い”ともう一つの“大きな要因”とは

“知られていない”ことが力になるとき

 画像:「連続テレビ小説 ばけばけ Part1」(NHK出版)海外ドラマや映画などでも、決してメガヒットとは言えない曲が年月を経て印象的なシーンで起用されリバイバルヒットする例がよくあります。最近では映画『Saltburn』で使われたソフィー・エリス・ベクスターの「Murder On The Dancefloor」がそのひとつです。

ハンバート ハンバートも長年音楽ファンの間では知る人ぞ知る存在として実力を評価されてきました。そのようにして静かに培ってきた音だからこそ、詠み人知らずのナチュラルさでドラマに馴染むことができたのです。

アーティストの名前とブランドの強さで音楽だけが目立ってしまうことを回避できたことも、『ばけばけ』のオープニングが好評を得ている要因と言えるでしょう。

となると、今後もビッグアーティストに頼らない朝ドラ主題歌の流れができるのかもしれません。今度はどんなミュージシャンが起用されるのか。楽しみです。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4



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