薬物・殺人犯・詐欺・銃撃…『キングオブコント』に“バイオレンス”なネタが溢れた理由。攻める芸人、引かない観客——いまの“笑いのバランス”とは

薬物・殺人犯・詐欺・銃撃…『キングオブコント』に“バイオレンス”なネタが溢れた理由。攻める芸人、引かない観客——いまの“笑いのバランス”とは

10月11日に放送された、コント日本一を決める『キングオブコント2025』(TBS系)。4度目の決勝進出となったロングコートダディが3449組の頂点に立ち、18代目キングとなりました。一方で、今年は“バイオレンス”ネタが多かったことも大きな特徴です。

結成1年未満のベルナルドや9年ぶりの決勝進出となったしずるなど、放送前から話題が絶えなかった『キングオブコント2025』。白熱した戦いの末、レインボー、や団とともに最終決戦に進出したロングコートダディが、2年連続でトップバッターでの優勝という結果となりました。

殺人、暴力団、詐欺——異様なネタが並んだ決勝戦

 画像:TVerより毎回、審査員の点数や各コンビのネタの内容などがSNSやネットで話題となるお笑い賞レース。今年は、決勝に出場したコンビや審査員のこと以上に、大会を通して多くのコンビのネタの中身が殺人や暴力などバイオレンスな要素を含んでいることに注目が集まりました。

その流れは1stステージ3組目に登場したファイヤーサンダーから。彼らは殺人を犯したタレントがTV番組に復帰するというネタでした。直接的な暴力はないものの、元殺人犯を演じたボケの﨑山さんの猟奇的な表情にツッコミのこてつさんが恐怖におののく姿が笑いを誘っていました。

6組目の元祖いちごちゃんは、試飲販売で漂白剤のブリーチをお客さんに飲ませる特殊詐欺のネタ。8組目のしずるは、B’zの『LOVE PHANTOM』をフルに使い、暴力団員2人のやり取りを見せたネタでした。最終的に池田さんが刺されて村上さんが高笑いするというブラックなオチ。

また、10組目のベルナルドは、カメラと人間の間に生まれたカメラマンが最後に人間の喉に刀を突き刺すというネタでした。

最終決戦でも止まらない暴力描写

 ロングコートダディ 画像:吉本興業株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)1stステージでの上位3組で行われた最終決戦の2ndステージでも、や団はお客に暴言を吐く居酒屋店主のネタ、優勝したロングコートダディは最後に警察官が慰めてくれた女性を銃撃するというネタを披露しました。

なぜここまでバイオレンスネタが多かったのかと考えてみると、そもそも今年の決勝進出コンビはシュールなネタが得意なコンビが多かったことが挙げられます。しかし、そうしたコンビもゴールデンタイムに全国放送される賞レースでは、尖ったネタを避けて守りに入るネタを披露することが多かったです。

ですが今年は違いました。それぞれのコンビが、自分たちが得意とする“自分らしさ”を出していたのでしょう。



配信元: 女子SPA!

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