更年期障害というと女性のイメージが強いかもしれませんが、実は、男性にも起こることがあります。しかも女性に比べて、男性の更年期障害は発症の年齢にばらつきがあるという特徴があります。今回は男性の更年期障害の特徴について、ゆきがや泌尿器クリニックの三山先生に詳しく教えてもらいました。

監修医師:
三山 健(ゆきがや泌尿器クリニック)
2009年3月東海大学医学部医学科卒業。横浜南共済病院泌尿器科、小田原市立病院泌尿器科、横浜市立市民病院泌尿器科、君津中央病院泌尿器科医長、横須賀共済病院泌尿器科医長、済生会横浜市南部病院医長を経て2024年5月ゆきがや泌尿器クリニック院長就任。日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会ロボット手術認定プロクター、日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定医泌尿器領域、インテグラル公認前立腺レーザー手術CVP認定プロクター日本がん治療認定医機構がん治療認定医。
編集部
男性の更年期障害は、だいたい何歳くらいで起きるのですか?
三山先生
男性ホルモンの分泌量は、20歳くらいをピークに少しずつ減少していきます。注意したいのが、女性と違って緩やかにホルモンの分泌量が減少していくということです。女性の場合、閉経の前後5年間で女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少します。そのため、この時期に更年期障害が起こりやすいのですが、閉経して5年くらい経つとホルモンバランスが落ち着くのに伴い、徐々に更年期障害の症状がおさまってくることが一般的です。
編集部
男性の場合は違うのですか?
三山先生
男性の場合、そのような急激な変化がなく、20歳以降は緩やかにホルモンの分泌量が減少していきます。裏を返せば男性の場合、いつでも更年期障害が起きる可能性があるということ。実際、早い人では30歳代で症状が出現することもあります。
編集部
女性の場合は閉経して5年くらい経つと症状がおさまるということでしたが、男性の場合はどうでしょう?
三山先生
男性の場合には女性と違って大きな変化が見られないため、はっきりとした終わりのサインがないとされています。そのため、思っているよりも長く症状を引きずることがあります。
編集部
男性の更年期障害は終わりがわかりづらいのですね。
三山先生
はい、女性と違って男性の更年期障害は、「始まりがわかりづらく、終わりのサインもない」のが特徴です。また女性の更年期障害に比べ、社会的な認知度もいまいち高くないため、誰にも相談できずにひとりで悩んでいる男性が多いのも現状です。
編集部
人知れず更年期障害で悩んでいる男性も多いのですね。
三山先生
注意したいのは、やる気が出ない、集中力がない、うつっぽいなどの理由でメンタルクリニックを受診し、うつ病と診断されてしまうケース。実際は更年期障害の症状としてうつなどが現れているにも関わらず、クリニックでうつ病と診断されてしまったため、誤った治療を長く続けているケースも多いのです。うつ病の治療を続けてもあまり効果が感じられないという場合には、更年期障害を疑ってみるのも良いと思います。
※この記事はMedical DOCにて<男性更年期障害が「いつなってもおかしくない」病気なワケ【やる気でない人は注意】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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