【ネタバレあり】今の価値観で観たら全然違った! あたしが救われた『ハッシュ!』4Kリマスター版

【ネタバレあり】今の価値観で観たら全然違った! あたしが救われた『ハッシュ!』4Kリマスター版

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『ハッシュ!』4Kリマスター版

story ゲイであることを隠している勝裕(田辺誠一)はおおらかなパートナー・直也(高橋和也)と暮らしていた。そんなある日、人とのつながりを諦めかけていた独身女性・朝子(片岡礼子)と出会い、彼らの生活に入り込んでくる。
監督・原作・脚本・編集:橋口亮輔/出演:田辺誠一、高橋和也、片岡礼子、秋野暢子、冨士眞奈美、光石研、つぐみ ほか/配給:ビターズ・エンド/公開:現在、シネマート新宿ほか、全国順次ロードショー中
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あたしが救われた映画です

やったー、ようやく観れたよ、『ハッシュ!』4Kリマスター版!! じつはですね、『ハッシュ!』は最近一度だけスクリーンで上映されているんですよ。それが昨年12月に開催された「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」ってイベント上映。このとき、あたしはなぜか司会進行で呼ばれ、橋口亮輔監督と田辺誠一さんからお話をうかがうという役回りを仰せつかりましてな。そのときに監督がポロっと「あ、これ4Kの企画が動いていまして」って言っちゃったの(発表しちゃいけない時期だったので「はーい、みなさん、ドアを出たら忘れてくださいね〜」と付したんですが)。そんなハプニングがあったもんで、はよ4Kを観てもらいたい気持ちが強かったんですね。


 

このシーン、マジで映画史に残る美しいシーンなのよ!

で、やっぱり4Kにして大正解ですのよ。いや、もともとある映像も超きれいだし、なによりフィルムの質感がたまらんわけですが、4Kになったことで「あ、生きてる」って思えるの。25年も前の作品とは思えないほどにキャラも物語も。そして、当然みなさん若くみずみずしく、勢いはんぱねー!


 

シーンでなによりすごいと思ったのは、勝裕(田辺誠一)の部屋に家族全員集合するバトルシーン。朝子(片岡礼子)の出産計画ご披露で、勝裕の兄・勝治(光石研)、その妻・容子(秋野暢子)、勝裕のパートナー直也(高橋和也)と彼の母・克美(冨士眞奈美)が集まるんだけど、価値観の違いで大衝突になるのね。この作品で最大と言ってもいい見せ場のひとつになるんだけど、これを25年前に観たときは「あぁ……やっちゃった」と思ったわけ。精子提供を受けて出産して家族になるっていう朝子の考えや、勝裕がカミングアウトせずに生活していたことからも、当時はあたしでも「それは厳しいだろ」って思ったもの。というか、そんなに家族がほしいかね……とも思ってしまった若気の至り。

これがあたし的最強のシーン。もう大泣き。光石さ〜〜〜ん!(泣)

でもね、歳を重ね、そして時代とともに移り変わった価値観のもとこのシーンを観たら全然違う。幸せを追求することの何が悪いのか、ってことなのよ。人それぞれに事情があるし環境も違うけど、たまたま出会った人たちが幸せなら、それを追求しようとするのは自然なことなのよね。それを、今の役者さんが目の前で演じているかのような映像で見せられちゃったもんだから、グッときちゃった。そしてその後で訪れる、あたし的人生ベストシーン。ゲイとニューハーフの区別がつかないほど知識薄い勝治が勝裕に向かって、「お前の人生や、好きにしたらええやん。兄弟だもん。そりゃ分かるよ」というところ。当時も大泣きしましたが、鮮明になった映像で見せられると、さらに大泣き。このセリフにどんだけ当時のあたしが救われたか……(ということを、以前光石さんにお会いしたときに直接言ってしまったほど。熱弁ふるいすぎて引いてましたけど)。


 


というわけで未見の方もDVD持っている方も観るべきよ。ちなみに秋野暢子さん、光石研さん、橋口亮輔さんが登壇する上映イベントが8月6日に予定されているのでぜひ!(橋口さんは当時も昨年12月も「秋野さんの背中の筋肉が素晴らしくて惚れました」と言ってました)

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