
豊かな自然と温暖な気候に恵まれた知多半島。初代がこの地で豚の肥育を始めたのは今から約50年前のこと。2015年(平成27年)には法人化し、知多ポークや名古屋ポークなど、ブランド豚としての肥育に力を入れている。
健康でおいしい豚肉を安定的に生産するためにさまざまな取り組みを展開。特に豚の飼料にはこだわり、約15年前からエコフィードを導入している。
「うちの場合は食品工場から出る食品残渣を、取引のある産廃業者に持ってきてもらっています」。とはいえ、食品残渣ならなんでもいいというわけではないと都築さんは言う。「豚の飼料は小麦やトウモロコシがおもな原料になりますが、その代替品として麺類などの食品残渣を使います」。
またこの地域の特産品であるえびせんべいや、半田市の企業が製造する納豆なども飼料に混ぜるという。「知多半島は醸造が盛んな地域。飼料は無添加なので、防腐剤代わりに地元で生産する酢も入れます」と都築さんは話す。常に上質な肉質になるよう、厳選した食品残渣を使用するのがこだわりだ。さらに飼料はスープ状のリキッドフィーディングに加工。こうすることで水分が高い食品残渣も利活用することができる。


豚舎には自動で供給する装置や糞を取る機械などを取り入れオートメーション化を推進している。人件費削減はもとより、豚や働くスタッフの快適性にもつながっている。「豚舎にはすのこを敷き、下に落ちた糞を機械で掃除するので比較的臭いが少なく、豚も清潔で健康に育ちます」と都築さんは笑顔で話す。


さらに、知多ピッグでは豚の糞を毎月数十トン単位で自社で堆肥にして、地域の農家に無料で届ける活動も行っている。糞の処分にかかる費用も削減でき、地域にも貢献できる取り組みだ。「豚の糞で作った肥料を撒くと土がかなりよくなり、農家さんからは野菜のできが違うといわれます」と都築さん。「良質な土壌が雨によって海に流れ込めば、海のリンが増えて海苔やアサリが育ちやすくなる。こうした循環も自然環境にとって大切だと思っています」とも話す。



今後はさらに豚の健康チェックなど、まだまだ人の目や手が必要な作業の改善にも取り組んでいきたいと都築さんは話す。「AIも適宜取り入れ、さらに働きやすい環境に整えていきたいと考えています。当社は今、若い社員が多いのですが、その人たちが歳を重ねても、ずっと働きやすい職場にしていきたいと思っています」。


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