「猫30才時代」という新たな未来を切り拓くと期待されているのが、腎臓病の猫に対する新薬・AIM猫薬「FeliAIM(フェリエイム)」です。
そんなAIM猫薬の研究・開発を手掛けたのが、医師でAIM医学研究所代表の宮﨑徹先生。今回は、AIM猫薬の実用化に向けた現状や、今後の展望などについて、宮﨑先生にお話を伺いました。

――腎臓病の猫の健康寿命を延ばすAIM猫薬がいよいよ実用化間近ということで、飼い主さんたちの期待が高まっています。研究、治験の内容や現状を教えていただけますか?
宮﨑先生:
「ようやくここまでたどり着きました。現在は国に承認を申請中で、承認されればいよいよ実用化という段階です。
猫の腎臓病は10才から15才くらいにかけて悪くなり、最後は食べられなくなってやせて、亡くなってしまうことが多いですよね。治験に先駆けた臨床研究では、まだ元気だけれどあと半年くらいでこうした末期的なステージになってしまうような猫にAIM猫薬を投与し、半年間観察を行いました。
通常、AIM猫薬を投与していない猫は一般的な腎臓病の治療をしていても、半年くらいで亡くなってしまうのですが、この研究では、AIM猫薬を投与することで、すべての猫が元気な状態で弱らず、末期的な症状が出ないまま生きているという結果が得られたのです。
そして、この研究結果をもとに治験を行ったのですが、期待どおり研究と同じ結果が得られました」

引用元:Photo by Getty Images
――AIM猫薬を使った腎臓病の治療は、これまでとどのように違うのでしょうか?
宮﨑先生:
「猫の腎臓病を山火事に例えると、15年くらいかけてじわじわと山が焼けていく。焼けてしまったところが、腎臓でいうと炎症によって壊れてしまったところです。
その火の消し方ですが、これまでは水をかけるなどして消すといったことを目指していましたが、今のところそれができるいい薬がなかった。どうして山がずっと燃え続けているのか、それは体の中の老廃物が火種となって、ずっと供給され続けているからです。
AIM猫薬は、火種となる老廃物を効率的に掃除してしまう。だからこそ何回か投与しただけで、末期に近くてもそこから先燃えることはない。焼けずに残っている部分がちゃんと機能してそれ以上燃えなければ、元気になるわけです」

引用元:Photo by Getty Images
――では、AIM猫薬の実用化によって、猫の寿命が飛躍的に延びると考えてもいいのでしょうか?
宮﨑先生:
「腎臓病は猫の死因でもトップクラスで、多くの猫が20才くらいまでに腎臓病で亡くなってしまいますよね。腎臓病で死ななくなると当然寿命が延びるわけで、30才っていうのは十分あり得ると思います。
私は人の医者なので、AIM猫薬でやったことを人でやろうと考えています。人の薬ができたら人も元気で長生きができるはずです。120歳の元気な人が30才以上の元気な猫を飼っている、これが私の夢ですね」
AIM猫薬の今後の展開から、ますます目が離せません。
お話を伺った先生/宮﨑徹先生(一般社団法人AIM医学研究所代表理事・所長および株式会社 IAM CAT代表取締役 内科医 医学博士)
参考・写真/「ねこのきもち」2026年7月号『新薬実用化で、猫が腎臓病で亡くならない時代へ。「超ハイシニア」の愛猫と生きる未来が見えてきた! 猫30才時代』
文/長谷部サチ
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