シングルマザーとして子育てと仕事に奮闘する娘リコさんを支えながら、自身も責任ある立場で仕事に励む雪江さん。リコさんを支えたい一心で、孫のミオちゃんのお迎えや世話を引き受けていましたが、ある日リコさんは「女としての幸せを感じたい」と言い残し、ミオちゃんを置いて姿を消してしまいます。雪江さんは必死にリコさんを捜しますが、勤務先は半年前に退職済み。スマホは解約され、アパートも退去手続きが進んでおり、行方を追う手がかりは何ひとつありません。このままではどうにもならないと考えた雪江さんは、ミオちゃんを自分の扶養に入れることを決意。嘘やごまかしはせず、今の状況をありのままミオちゃんに伝え、自分が育てていく覚悟を決めたのでした。それから時が経ち、ミオちゃんが小学3年生になった頃のこと。家庭調査票の記入を求められた雪江さんは「自分が保護者として記入していいのだろうか」「住所変更はできるのだろうか」と不安になり、役所へ相談に向かいます。すると職員から「お父様がご存命であれば、まずはそちらにご連絡ください」と告げられ、不本意ながらもリコさんの元夫隆文さんへ連絡を取ることにしたのでした。
できることなら関わりたくなかった娘の元夫

実際に子どもの面倒を見ていても、住民票などの手続きは両親でなければ行えないことを知った私は、不本意ながらもリコの元夫隆文さんに連絡を取ることにしました。隆文さんは、リコの妊娠中に浮気をして、そのまま離婚した相手です。これまで数回しか会ったことがなく、できることなら二度と関わりたくありません。それでも、ミオのためなら背に腹は代えられませんでした。
隆文さんと連絡を取ることに成功した私は、ターミナル駅近くのカフェで待ち合わせをしました。「お呼び立てしてごめんなさいね、お久しぶりです」そう声をかけると、隆文さんは「どうも」と小さく会釈しました。・・・いかにも、ここへ来たくなかったって顔ね。

「電話でリコがいなくなったと聞きましたが」隆文さんにそう切り出された私は、静かに口を開きました。「そう、今娘のミオは私が育ててます・・・リコを裏切ったあなたでも、あなたに頼むしかない」そう伝えると、隆文さんは少し悲しそうな表情を浮かべて言いました。「やっぱりそう思われてたんですね。今更ですが、僕はリコを裏切ってません」その言葉に、私は思わず耳を疑います。

リコを裏切ってないって、どういうこと?驚きのあまり言葉を失っていると、隆文さんは静かに真実を語り始めました。「ミオが産まれて、彼女に突然離婚を切り出されたのは僕の方です。好きな人ができたから別れてほしいと」

リコから聞いていた話では、ミオが産まれた頃に隆文さんが浮気をし、それが原因で離婚したはずでした。しかし隆文さんは「ミオが産まれた直後だったんですが、彼女に好きな人ができたと言われて・・・その人と一緒になりたいから別れてほしいと言われたんです」と言いました。

まさか、リコの方が浮気をしていたなんて・・・。隆文さんは、出産後で精神的に不安定になっているだけではないかと思い「自分の悪い点は直すから、この子のためにも自分とやり直さないか」と必死に訴えたそうです。しかし、リコの答えは「ノー」。結局、ミオが生後半年になる頃に、隆文さんは離婚を受け入れました。リコから聞いていた話とは、まるで違うじゃない。
リコさんが話していた内容とは、まったく正反対のことを語り始めた隆文さん。数回しか会ったことのない相手の話を、簡単に信じることはできません。それでも、ここまでリコさんに裏切られてきた雪江さんだからこそ「もしかしたら、隆文さんの話が本当なのでは」と思ってしまうのも無理はありません。
※ストーリーはフィクションです。登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:ねむりひつじ

