「関節リウマチ」は、日常生活にさまざまな影響をおよぼす疾患ですが、近年では治療の進歩によって症状コントロールや進行予防が可能になりつつあるのだそうです。そこで、みやもと内科・リウマチ科クリニックの宮本俊明先生に、関節リウマチの治療、生活の工夫などについて話を聞きました。

監修医師:
宮本 俊明(みやもと内科・リウマチ科クリニック)
浜松医科大学医学部医学科卒業。その後、浜松医科大学医学部附属病院第3内科にて臨床研修を開始し、聖隷浜松病院 総合診療内科および膠原病・リウマチ内科にて経験を積む。2008年に同院膠原病・リウマチ内科部長、2020年にはリウマチセンター センター長を歴任。2024年5月、静岡県浜松市にみやもと内科・リウマチ科クリニックを開院、院長となる。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医。
編集部
関節リウマチの治療法について教えてください。
宮本先生
治療の基本は、免疫の異常を抑える抗リウマチ薬(DMARDs)による薬物療法です。メトトレキサートを代表とする内服薬のほか、生物学的製剤という注射、そして近年は注射製剤と同様な効果が期待できるJAK(ジャック)阻害薬といった内服薬も登場し、治療の選択肢は増えてきています。
編集部
注射薬や強い内服薬もあるのですか?
宮本先生
そうですね。私が医師となった約30年前はなかったこのような薬剤も、現在は特別なものではありません。多くの関節リウマチ患者さんが治療目標を達成するために必要とされる、いわば標準的といってよい治療薬といえます。近年は治療目標が極めて高いこともあり、使用されるケースが大幅に増えてきています。また前述の通り注射薬と同等の効果を持つ内服薬もあり、関節リウマチ治療は進歩しています。
編集部
関節リウマチの人は、日常生活ではどんな点に注意するとよいのでしょうか?
宮本先生
活動性が高い時期は無理な動作を避ける工夫が大切です。自助具などの道具を使って関節への負担を減らしたり、日常生活において、こまめな休息を取ったりすることも重要です。床座りよりも椅子生活、布団よりもベッドなど、無理のない範囲で生活環境を見直していく必要もあります。ただし、これはあくまで活動性が高い時期のみの話です。
編集部
運動療法もよいと聞きました。
宮本先生
はい。関節に負担をかけないウォーキングやストレッチ、お近くにプールなどがあれば水中ウォーキングなどの軽い有酸素運動がおすすめです。動かさないと関節は硬くなりやすく、筋力も低下してしまいますので、軽い負荷の運動をこまめに継続することが大事です。ただし、これも活動性が高く、痛みが強いときは無理をしないようにしましょう。
編集部
おすすめの食事などはありますか?
宮本先生
関節リウマチに効く特別な食事はありません。しかし、注意すべき点はあります。関節リウマチの患者さんは痛みのため食欲が落ちてしまい、かつ炎症に伴い筋肉量も落ち、徐々に日常生活動作に困難を生じる可能性があります。さらに関節リウマチによる炎症、そして運動量の低下に伴い、骨粗しょう症を合併している人も非常に多いことがわかっています。したがって、食生活で以下の2つのポイントに注意してもらいたいと思います。たんぱく質をしっかり摂る
筋肉を作るたんぱく質を十分に摂取することが重要です。良質なたんぱく質は肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などに含まれています。
カルシウム、ビタミンDをしっかり摂る
カルシウムは牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。そのほか海藻、小魚、大豆製品、野菜などにも含まれているため、バランスのよい食生活を心がけましょう。ビタミンDは日光を浴びることにより、体内で生成されるので、適度な日光浴も効果的ですが、食事で摂取することも重要です。ビタミンDを豊富に含む食材はサバ、マグロ、サーモンなどの魚、シイタケなどのきのこ類、卵黄などが挙げられます。
※この記事はメディカルドックにて<「関節リウマチ」におすすめの食事や運動をご存じですか? 日常生活のコツも医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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