
「小銭をまとめて処分したいから」と、セルフレジの投入口に大量の硬貨を流し込む客。便利で導入が進むセルフレジだが、「紙幣や硬貨が無限に入る」と誤解している利用者は少なくない。



元接客業の経験を持ち、現場のリアルな苦労を描く漫画家の狸谷(@akatsuki405)さん。今回は、著書『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』より、セルフレジの故障トラブルと現場の苦悩を描いたエピソード「何事にも限度があるって話」を紹介する。店舗と顧客の健全な関係性が求められるなか、現場で何が起きているのか。作者へのインタビューを交えてひもとく。
■「同一硬貨は20枚まで」注意書きを無視する客に現場は悲鳴
セルフレジの投入口付近には、あらかじめ「同一硬貨は20枚まで」と注意書きが貼られていることが多い。これは機械の詰まりや内部エラーを防ぐための重要なルールだが、守らない利用者は後を絶たない。
許容量を超えた小銭が投入されると機械は即座にエラーを起こして停止する。しかし、トラブルを引き起こした本人は謝罪するどころか、「買い物に来てやってるのに」と横柄な態度を取るケースも珍しくないという。特にレジが込み合う時間帯に故障させられると、ほかの客にも影響が及び、スタッフは復旧作業に追われる。同業者からは「マナーと節度は最低限わきまえてほしい」といった切実な叫びが上がっている。
■カスハラ防止の動きと、理不尽を「漫画の糧」にする作者の思い
スタッフへの暴言や故意に機械を詰まらせる行為などは、近年大きな社会問題となっているカスタマーハラスメントに該当し得る。店員を怒鳴りつけたりする行為を防止し、互いに尊重し合える環境を作る動きが加速している。
現場の過酷な体験を作品として発信する狸谷さんは、「スーパーや接客業の大変さを知ってほしいという思いや、共感する読者の声も多く届いています。どれだけ嫌なことがあっても『自分の漫画の糧になる』と思えると、理刺尽な目に遭って多少傷ついても立ち直りが早くなった気がします」と語る。
便利さの裏には、機械を正しく運用するためのルールと、支えるスタッフの存在がある。狸谷さんの作品は、店舗と利用者が気持ちよく過ごすためのマナーを見つめ直すきっかけを与えてくれるはずだ。
取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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