「卵巣がんの抗がん剤」にはどんな種類があるかご存知ですか?副作用も医師が解説!

「卵巣がんの抗がん剤」にはどんな種類があるかご存知ですか?副作用も医師が解説!

卵巣がんの抗がん剤治療の主な副作用

抗がん剤治療にはさまざまな副作用が伴います。副作用の出方は使う薬剤や個人の体質によって異なりますが、本章では卵巣がんの治療で起こりやすい主な副作用について解説します。

アレルギー反応

抗がん剤のなかには点滴中にアレルギー反応を起こすものがあります。症状としては皮膚の発疹、冷や汗、息苦しさ、血圧低下などが現れることがあります。

吐き気・嘔吐

吐き気・嘔吐は抗がん剤治療でよく見られる副作用です。卵巣がんの標準的なTC療法では、吐き気止めを点滴前に投与して予防を行うのが一般的です。これにより多くの患者さんで吐き気はかなり抑えられます。

骨髄抑制

骨髄抑制は、抗がん剤の作用で骨髄の血液をつくる働きが低下し、血液中の細胞が減少する副作用です。具体的には白血球減少(免疫力の低下)、血小板減少(出血しやすくなる)、赤血球減少(貧血)などが起こります。

貧血

抗がん剤治療中は骨髄抑制の一環で貧血が進行することがあります。貧血が軽度であれば自覚症状はそれほどありませんが、進行すると全身のだるさ、息切れ、動悸、めまいなどの症状が現れます。

全身倦怠感

全身倦怠感は、言い換えると極度のだるさや疲労感のことです。原因は一つではなく、貧血による酸素不足、薬剤による直接的な疲労感、精神的ストレス、睡眠障害、栄養不足などさまざまな要因が重なって起こります。

末梢神経症状

末梢神経症状とは、手足の末梢神経が障害されることによるしびれや感覚異常のことです。卵巣がん治療に使うパクリタキセルは末梢神経障害を起こしやすい薬剤として知られており、患者さんの70~80%に何らかのしびれ症状が出ると言われています。

脱毛

脱毛も多くの抗がん剤で避けられない副作用です。パクリタキセルやカルボプラチンでは治療開始から2~3週間後あたりから髪の毛が抜け始めます。ただし、これは一時的な現象であり、治療終了後2~3ヶ月もすると新しい髪が生えてきます。

その他の副作用

上記以外にも、卵巣がんの抗がん剤治療ではさまざまな副作用が現れる可能性があります。例えば、口内炎や下痢、便秘などトラブルも起こりえます。爪の変色・変形もタキサン系薬剤で見られることがあります。

卵巣がんの抗がん剤治療にかかる費用

卵巣がんの手術や抗がん剤治療には高額な費用がかかりますが、日本では公的医療保険が適用され、さらに高額療養費制度によって自己負担額が一定額に抑えられる仕組みがあります。
卵巣がんの標準的なTC療法6クールの薬剤費用は、保険適用前の総額で約180万~300万円になります。これらはあくまで目安であり、用量や体重によって増減します。実際の患者さんの負担は、この総額のうち健康保険の自己負担分(通常3割負担)となります。
さらに、高額療養費制度が適用されれば、収入区分にもよりますが1ヶ月あたりの自己負担上限はおおよそ数万円から10万円台に収まります。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。